柳緑花紅

この時季には、木々の新緑が若々しく、花々は鮮やかに咲いています。

 

「柳緑花紅」

 

あるがまま、自然体、ということです。

 

木々が芽吹き出し、色取り取りに花が咲き出す、という自然の風景は、それ自体が当たり前のように見過ごしてしまいますが、実は有り難い事実・実態なのである、という謙虚な気持ちで受け止められることが、悟りなのです。
人はなかなか受け入れられない事実を抱えているものですが、それは既に存在するものとして、受け入れることができたら、本当に楽になると思いませんか。

 

北宋の詩人である蘇軾の著した『東坡禪喜集』に

 

「柳緑花紅真面目」

 

とあります。
真面目(しんめんもく)とは、物事の本来の有様のことです。

 

東坡居士と号したため、蘇東坡とも呼ばれる蘇軾は、字は子瞻で、景祐3年(1037年)に生まれ、建中靖国1年(1101年)に亡なくなります。
宋代を代表する詩人・書家でもあり、政治家でもあります。
嘉祐2年 (1057年) に進士に及第して、英宗や欧陽修らの信任を得ますが、神宗の際に、王安石の新法に反対して左遷されられたこともあります。
父の蘇洵、弟の蘇轍と合わせて、三蘇と呼ばれます。
更に、この3人に、唐の韓愈、柳宗元、宋の欧陽脩、曾鞏、王安石を加えた文人を、唐宋八大家と称します。

 

新緑の息吹との色為す花の鮮やかさと対峙して感慨に耽るのもよいのではないでしょうか。

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