吾唯知足

吾唯知足(われただたるをしる)

 

既に現状で充分に物事が満ち足りていることを知って、不満を抱かないことです。

 

仏陀の 最後の説法である『仏遺教経』に少欲、および、知足が登場します。

 

「汝等比丘、当に知るべし。多欲の人、利を求めること多いが故に苦悩も亦多し。小欲の人、無求無欲にして則ち此の患い無し。直に小欲すら尚、応に修習すべし。何に況や小欲の能く諸の善功徳を生じるをや。少欲の人、則ち諂曲して以て人の意を求めること無し。亦復諸根の為に牽かれず。少欲を行ずる者は、心則ち坦然として憂畏する所無し。事に觸れて餘り有り、常に足らざること無し。少欲ある者は則ち涅槃有り。是を少欲と名づく。

 

汝等比丘、若し諸の苦悩を脱せんと欲せば、当に知足を観ずべし。知足の法は則ち是、富楽安穏の処なり。足ることを知る人、地上に臥すと雖も、猶お安楽とす。足ることを知らざる者は、天堂に処すと雖も、また意に称わず。足ることを知らざる者は、富めりと雖も而も貧し。足ることを知る人、貧しと雖も而も富めり。足ることを知らざる者は、常に五欲の為に牽かれて、足ることを知る者の憐愍する所と為る。是を知足と名づく。」

 

すなわち、少欲知足、です。

 

また、『老子』33章に、「足ルヲ知ル者ハ富ム」、というものがあります。

 

茶杓の銘で「知足」というものがよく使われます。

 

それから、龍安寺の茶室「蔵六庵」の露地には知足の蹲踞というものがあります。

吾唯足知の各字には口の字がありますが、それが蹲踞の手水鉢の水を溜める部分になっていて、上から時計回りになるように四方に各字の残りが配されています。

 

更に、知足長楽、知足常楽という言葉もあります。

ストレスがないと長生きできるものです。

現在はストレス社会と言われていますが、これが秘訣なのかもしれません。

 

それでは、現状に不満を抱かないことにしましょう。

とはいうものの、やはりそれ以上を目指すことにしましょうか。

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