土物と石物
日本では世界最古とされる約1万2000年前の土器が発見されているように、焼物の歴史はとても古いです。
焼物は陶器と磁器に大まかに分けられますが、厳密には、土器、炻器、陶器、磁器に区分されます。
そして、陶磁器は陶器と磁器の総称になりますが、陶器は土物、磁器は石物と呼ばれます。
陶器の原料は粘土が主要成分なのに対して、磁器の原料は磁石を粉砕した石粉が主要成分となっています。
磁石の成分はカオリン、長石、石英などです。
陶器は光が透き通らず、素地の焼きが軟らかくて多孔質であり、磁器は光が透き通り、素地の焼きが硬くて緻密であるという特徴を持ちます。
日本の陶器の始まりは、土器や炻器を経て、粘土を用いて焼きますが、そのままだと水を通すので上薬を掛けるようになったもので、平安時代の瀬戸が最初であるとされています。
志野焼、萩焼などが陶器として有名です。
日本の磁器の始まりは、朝鮮出兵の際に日本に来た陶工である李参平が有田で磁石を発見したことによるとされています。
やがて、九谷焼などの磁器が焼かれるようになります。
世界最古の焼物が日本製であるというのは大変誇らしいことです。
日本の物作りの原点がここにあったのかもしれません。