飛梅
飛梅(とびうめ)は、この時季によく使われる銘ですが、飛梅伝説に因っています。
菅原道真(承和12年(845年)-延喜3年(903年))が、政争の結果、左大臣であった藤原時平の讒言によって大宰権帥として太宰府に左遷させられることになりました。
そして、京を去るときに、紅梅殿という邸宅にあった梅に対して、「東風吹かば匂い起こせよ梅の花主なしとて春を忘るな」という和歌を詠みました。
すると、道真が太宰府に着くと一夜のうちに、その梅が飛んできたのです。
実際、太宰府天満宮には、飛梅があって御神木となっています。
それから、道真を左遷させた時平は39歳の若さで亡くなりました。
それ以外にも謎の死を遂げる者が多く、また、清涼殿などに落雷があったりして、一連の出来事は、道真の怨霊によるものとされました。
その結果、北野天満宮で祀られることになりました。
他方、道真は学問の神様として、各地の天満宮で崇められています。
それは、道真の学才にあやかっていることになり、受験の前に詣でる人の数は少なくなくはないと言えます。
さだまさしに「飛梅」という曲があります。
太宰天満宮での叙景的で叙情的な歌詞が印象的ですので、太宰天満宮を詣でる前に聞いてみるのもよいと思われます。