七事式
七事式は、花月、且座(さざ)、茶かぶき、員茶(かずちゃ)、回り炭、回り花、一二三(いちにさん)をいう7つの式法を指します。
七事式が制定された背景として、武家だけではなく、商家も茶の湯に親しむようになり、茶道人口が増えたため、その稽古を効率的に行うべく、18世紀に定められました。
それと同時に、悲惨な戦国時代から復興して発展期にあった元禄期の華美な世相が茶の湯にも影響を与えていて、綱紀を粛正する意味合いもありました。
とはいうものの、闘茶やくじなどの要素が入っています。
表千家7代家元である如心斎とその弟の裏千家8代家元である一燈、武者小路千家4代家元である直斎が中心になって制定しました。
しかし、それ以外にも、大龍宗丈、無学宗衍という禅宗の僧に加えて、堀内宗心、川上不白、多田宗菊、速水宗達という茶人、中村宗哲という職人、三井八郎右衛門という商人も制定に参画しています。
七事とは、『碧巌録』の七事随身に因るものです。
そして、無学宗衍は、以下のように七事式に対して禅語による精神的な裏付けをなしました。
花月 互換機鋒看子細
且座 是法住法位
廻り炭 端的底看聻
廻り花 色即是空凝思量即背
茶かぶき 于古于今截断舌頭始可知真味
一二三 修証即不無染汚不得
員茶 老倒疎慵無事日 閑眠高臥対青山
七事式の稽古には人数が必要となるため、現在、なかなかできないという人も多いと思われます。。
その根底にあるくじ的な要素を楽しみながら稽古をすることが真髄かもしれません。