水指
水指は、鉄瓶を使う点前以外のほとんどの点前で使われるものです。
茶碗に入れる水や釜にさす水を汲んだりするために用いられます。
水指は、もともとは皆具の中の1つとして台子に使われていたもので、唐銅で造られていました。
真之行台子という点前では、現在でも唐銅の皆具となります。
それが、村田珠光によって、備前や信楽のような国焼の水指が使われるようになりました。
更に、武野紹鴎や千利休によって、木地曲や手桶の水指も使われました。
桃山時代に使われた南蛮縄簾水指は北部ベトナム地域で、また、南蛮ハンネラ水指はタイ・アユタヤ地域で造られたものでした。
重要文化財となっている水指として、破袋という銘の古伊賀水指があります。
古田織部が気に入ったもので、その旨の書状が残されましたが関東大震災で焼失してしまいました。
大きな割れがあるのが特徴となっており、その銘の由来となっています。
現在、五島美術館の所蔵となっています。
野々村仁清の色絵牡丹図水指も重要文化財となっています。
現在、東京国立博物館の所蔵となっています。
見立てや注文品などにより、実にさまざまな水指が存在します。
そして、道具の取り合わせや趣向に役立てられています。
季節感を出すのに、水指は重宝します。
お気に入りの水指を使って点前をしてみてはいかがですか。