奥村吉兵衛
奥村家は、千家十職に名を連ねる表具師です。
掛軸、風炉先、紙釜敷などを造っています。
当主は、代々、吉兵衛を襲名しています。
初代奥村吉右衛門(元和4年(1618年)-元禄13年(1700年))
二代奥村吉兵衛(寛永10年(1633年)-享保4年(1719年))
三代奥村吉兵衛(寛文6年(1666年)-寛保3年(1743年))
四代奥村吉五郎(元文2年(1737年)-天明元年(1781年))
五代奥村吉兵衛(宝暦5年(1755年)-文政8年(1825年))
六代奥村吉兵衛(安永9年(1780年)-嘉永元年(1848年))
七代奥村吉次郎(寛政7年(1795年)-天保8年(1837年))
八代奥村吉兵衛(文化1年(1804年)-慶応3年(1867年))
九代奥村吉兵衛(天保11年(1840年)-明治41年(1908年))
十代奥村吉次郎(明治2年(1869年)-昭和19年(1944年))
十一代奥村吉兵衛(明治34年(1901年)-昭和62年(1987年))
十二代奥村吉兵衛(昭和9年(1934年)- )
奥村家はもともと浅井家に仕えていた近江国谷ノ庄の地侍でしたが、奥村三郎定通の代に主家が滅びました。
そして、奥村三郎定通の次男であった吉右衛門清定が、承応3年(1654年)に表具業を始め、近江屋吉兵衛と称して初代となりました。
二代のときに、表千家六代家元覚々斎の取り計らいによって、紀州徳川家の御用達となるとともに、千家の職方も勤めました。
当代は、メキシコのアマテ紙などで仕立てた風炉先を造るなど、伝統と革新を融合させた作品を造っています。
風炉先や掛軸で、奥村吉兵衛の造のものを見ることがあります。
技術を売り物にした作品を鑑賞してみてください。