徽宗
文人皇帝として名高い徽宗は、元豊5年(1082年)に開封で生まれ、 紹興5年(1135年)に五国城で没しました。
北宋の第8代皇帝で、第6代神宗の第11子であり、第7代哲宗の弟となります。
楷書の痩金体という書体を生み出しました。
また、院体画という花鳥・人物・山水などを題材とした画風を確立しました。
徽宗の真筆とされる「桃鳩図」は、国宝に指定されています。
足利義満の所蔵印「天山」が押されていることから、東山御物であったことが分かります。
現在は、東京は日本橋の瀬津雅陶堂の所蔵となっています。
「瑞鶴図」は、遼寧省博物館に現在所蔵されていますが、溥儀が北京の故宮から長春に持ち出したものです。
「五色鸚鵡図」は、ボストン美術館蔵ですが、名古屋ボストン美術館で展示されることもあるようです。
「水仙鶉図」は、重要文化財で蒲生市博物館蔵です。
「蝋梅山禽図」は、台湾の故宮博物院蔵になっています。
芸術の育成、自身の芸術活動に多額の資金を費やしたせいか、金王朝への対抗策を充分になし得なったようです。
靖康1年(1126 年)に金によって開封が占拠され、徽宗と欽宗は捕らえられて満州に連れて行かれました。
これを靖康の変と言いますが、欽宗の弟の高宗が南宋を興します。
そして、徽宗は、金の五国城で亡くなるのでした。
日本でも、徽宗の作品を見る機会がありそうですので、そのチャンスが来たら見に行かれてはいかがでしょうか。