バックミンスター・フラー（1895-1983年）は、希代の天才です。

宇宙船地球号という言葉を聞いたことがあると思いますが、それは『宇宙船地球号操縦マニュアル』という彼の著書によって世に広まりました。

閉じた世界である地球の限られた資源をいかに有効に使うということを、宇宙船になぞらえて説いています。

 

様々な機知に富む言葉を残してくれました。

 

‘Don’t fight forces, use them.’

（力と戦ってはならない。力を使いこなしなさい）

 

事をなすときには、何かしらの障害や抵抗があるものです。

それと真っ向から立ち向かうのではなく、それをうまく御して利用するという道教思想のような考え方です。

 

「点前には重きを軽く軽きをば重く扱ふ味ひをしれ」

（点前をする際には、重いものを軽いものであるかのように、軽いものを重いものであるかのように扱う妙味を知りなさい）

という利休百首の第85首と通じるところがあると感じられます。

自然法則によってすり込まれた常識ですが、それをうまいこと使いこなそうという訳です。

特段、点前にだけ限定されることでもありません。

 

フォースをいかに使いこなすかがとても肝要なようです。