一二一二の仏教
仏教が日本に渡来した年は、皇紀1212年と言われています。
仏教とは、菩提樹の下で悟りを開いたとされる釈迦(釈迦牟尼、釈尊)とも呼ばれる仏陀の教えです。
仏になるための教えです。
苦しみや迷いという煩悩に満ちた現世において修行を積むことで悟りを境地に達することを説いています。
この修行の方法は、宗派によって異なっています。
原始教団が生まれた後、幾つかの分派が生じて、やがて、上座部仏教と大乗仏教として発展していきます。
上座部仏教は、初期仏教を継承した部派仏教から派生し、インドの南方へ伝播して南方仏教として信仰されます。
他方、大乗仏教は、部派仏教とは異なる集団から生じて、インドから北方へと伝播して、百済から日本にも伝えられます。
そして、大乗仏教の一派であるのが禅宗で、茶の湯と深い関係があります。
それを表すのが、茶禅一味という言葉です。
『山上宗二記』には、「茶の湯は禅宗より出たるに依りて、僧の行を専にする也。珠光・紹鴎、皆禅宗也。」と記されています。
せめて三三五五とちらばりたいが、一二一二の仏教渡来、とは吉野弘の詩の『一年生』の一節です。
今は、相対評価ではなく、絶対評価になっているので、ちらばることも以前より容易になったかもしれません。