風鈴
夏の風物詩ともなっている風鈴。
吊された短冊が風に揺れて、短冊が付いている舌と呼ばれる部品の先端である錘と、鐘型の本体がぶつかって、涼しげな音を奏でます。
再生エネルギーで得られる涼です。
それから、風鈴という涼しげな銘の茶杓があります。
その銘を聞いただけで、実際に軒下にあって風に吹かれて音を出している様が浮かんできて、まさに涼しく感じられます。
風鈴の起源は、風鐸と呼ばれるものです。
仏堂や仏塔の軒の4隅に吊して飾りとした鐘の形をなした鈴が、風鐸です。
この風鐸の音が厄除けとして機能したのです。
これがいつしか、一般家屋の軒下に吊されるようになって風鈴となったと考えられます。
風鈴の産地が幾つかあります。
江戸風鈴は、江戸時代に長崎のガラス技術が覚えたために、江戸のガラス問屋である上総屋留三郎が長崎に行って天保5年(1834年)に江戸に帰って広めたのが始まりとされています。
加賀屋と上総屋が幕末から明治にかけてガラスの商いで中心的な存在でした。
昭和40年頃に、江戸風鈴と呼ばれるようになりました。
南部風鈴は、南部鉄器でできた風鈴です。
高岡風鈴は、鋳物で有名な高岡市で作られた真鍮製の風鈴です。
金属製の風鈴を、可能ならば、見立てで蓋置として使っても面白いと思われます。
それでは、お気に入りの風鈴を軒下に吊してみましょうか。