江戸琳派の蒔絵師 原羊遊斎

原羊遊斎(ようゆうさい)は、明和6年(1769年)に江戸で生まれ、弘化2年(1846年)に亡くなった蒔絵師です。

 

蒔絵師の鶴下遊斎に師事して、蒔絵の技術を習得しました。

やがて、寛政9年(1797年)の29歳のときに、古河藩主土井家の御用蒔絵師となりました。

そして、文化1年(1804年)頃から酒井抱一の下絵を用いた琳派の作風によるものを多く造りました。

 

松平不昧に気に入れられ、その好み物を製作しています。

それ以外の大名家の茶道具も製作しています。

 

自身が自ら蒔絵を施すよりも、工房のプロデューサーに近い立場にあったようです。

中山胡民のような優れた門人がいました。

 

作品には、「羊」「羊遊斎」「羊遊斎作」と蒔絵銘が記されています。

 

1999年に発刊された五島美術館の図録である『羊遊斎 江戸琳派の蒔絵師』では、多くの作品が写真とともに紹介されています。

それ以外には、2002年に発刊された東京国立博物館の図録である『江戸蒔絵 光悦・光琳・羊遊斎』があります。

 

古河藩主土井利位(としつら)が観察した雪の結晶を意匠とした「雪華文蒔絵印籠」は、国重要文化財になっています。

 

印籠はとても素晴らしく、多くの作品が残されています。

それらが各地の美術館や博物館に所蔵・展示されていますので、是非とも見たいものです。

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