利休百首ならぬ、ジョブズ百首 第96首

スティーブ・ジョブズ1955年2月24日-2011年10月5日)は、アップル社の創業者として、先進的な商品を開発して、世の中の生活そのものを根底から変革することを為しました。

 

そのようなジョブズは、私たちに非常に示唆に富んだメッセージを残してくれました。

 

‘Innovation has nothing to do with how many R&D dollars you have. When Apple came up with the Mac, IBM was spending at least 100 times more on R&D. It’s not about money. It’s about the people you have, how you’re led, and how much you get it. ’
(イノベーションは、研究開発費の額とは関係がない。アップル社がマックを開発したとき、米IBM社は少なくとも私たちの100倍の金額を研究開発に投じていた。大事なのは金ではない。抱えている人材、いかに導いていくか、どれだけ目標を理解しているかが重要だ。)
(革新=研究開発費の多寡ではない)

 

これは、フォーチュン誌1998年11月9日号に寄稿したものです。
いかに資金があっても、アイデアを出せる人材と、その人材を使いこなせる人材がいなければ、事業は成り立たず、資金は無駄になるということです。

 

「茶はさびて心はあつくもてなせよ道具はいつも有合にせよ」
(茶は質素で心に満足を与えるようにしなさい。道具は身分相応なものがよい。)
という利休百首の第96首と通じるところがあると感じられます。
身の丈に合った茶の湯です。
資金を奔走して確保しても心は入っていないということです。

 

今の自分が持っているものを全力で出し切ることの重要性を説いています。
二人の考え方は当たり前と言えば、それまでですが、それが難しいのです。

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利休百首ならぬ、ジョブズ百首 第96首” に対して 2 件のコメントがあります

  1. いま より:

    仮に美術館ピースの茶碗を譲られたとしても、自分がそれを使いこなせるとは思えません。
    そのような名品とされるものは、人格や人生経験においてふさわしい人物にしか使いこなせないと考えます。

    悩んで入手し、愛し、その道具の良さや性格を理解しているお道具こそ、
    亭主とともにお茶会で人様を喜ばせることができると考えます。
    …お茶会開いたことありませんが(笑)

    人がものを買う時、人がものを選んでいるのではなく、ものがふさわしい人を選ぶ、
    ということをどこかで読んだことがありますが、言い得て妙だと思いました。

    それにしても、あんな人生を送ったジョブズの最後の言葉に、
    What I can bring is only thememories precipitated by love.
    「墓に持っていけるのは愛のある思い出だけ…」
    とあるのは考えさせられますね!

    1. sehbi-an より:

      コメント、ありがとうございます。茶の湯に限らず、何事も過ぎたるは及ばざるが如し、だと思われます。身の丈にあったビジネスや茶の湯を心掛けることが、結局、長続きの秘訣ではないでしょうか。お茶会を開いたことがなくとも、お客様自体が茶会の進行に重要な役割を担っているので、亭主とともに連座した皆様を喜ばせることが出来ると考えられます。一座建立と言われるものです。それは、愛のある思い出へと昇華することでしょう。今後も、是非とも茶の湯をお楽しみ下さい。

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