大阪の茶室で楽しむシャンソン、「枯葉」(Les Feuilles mortes)

秋も深まり、その季節感を茶の湯で体験できるような道具組にしてみました。
そのテーマとして、「枯葉」を選び、お菓子もそれに関係したものとしました。
さて、枯葉と言えば、この季節の定番の曲です。
それをお汁粉を頂きながら、寄り付き待合で聞いてみました。

「枯葉」 日本語詞:岩谷時子

あれは遠い想い出 やがて消える灯影(ほかげ)も
窓辺あかく輝き 光充ちたあのころ
時は去りて静かに 降り積む落ち葉よ
夢に夢を重ねて 一人生きる悲しさ
木枯らし吹きすさび 時は帰らず
心に歌うは ああ シャンソン恋の歌

暮れゆく秋の日よ 金色の枯葉散る
つかの間燃え立つ 恋に似た落ち葉よ
いつの日か抱かれて 誓いし言葉よ
はかなく ただ散りゆく 色あせし落ち葉よ

暮れゆく秋の日よ 金色の枯葉散る
つかの間燃え立つ 恋に似た落ち葉よ
いつの日か抱かれて 誓いし言葉よ
はかなく ただ散りゆく 色あせし落ち葉よ

“Les Feuilles Mortes”

Oh ! je voudrais tant que tu te souviennes
Des jours heureux où nous étions amis.
En ce temps-là la vie était plus belle,
Et le soleil plus brûlant qu’aujourd’hui.

Les feuilles mortes se ramassent à la pelle.
Tu vois, je n’ai pas oublié…

Les feuilles mortes se ramassent à la pelle,
Les souvenirs et les regrets aussi

Et le vent du nord les emporte
Dans la nuit froide de l’oubli.
Tu vois, je n’ai pas oublié
La chanson que tu me chantais.

C’est une chanson, qui nous ressemble
Toi tu m’aimais, et je t’aimais
Et nous vivions, tous deux ensemble
Toi qui m’aimait, moi qui t’aimais
Mais la vie sépare ceux qui s’aiment
Tout doucement sans faire de bruit
Et la mer efface sur le sable
Le pas des amants désunis

1946年、映画「夜の門」(Les Portes de la Nuit)の挿入曲として、イブ・モンタンが歌い、また、1951年のParis, Paris toujoursという映画の中でも彼が歌っています。
そして、ジュリエット・グレコが歌ったものがヒットして世に知られるようになりました。
国内では、越路吹雪が岩谷時子の日本語詞のものを歌っています。

以下のような趣向でお茶を楽しみました。

寄付待合
軸 秋山孤鹿之図 鈴木華邨筆
歌 「枯葉」 越路吹雪
歌 「Les Feuilles Mortes」 イブ・モンタン
菓子 しるこ 鶴屋八幡製(大阪)
菓子椀 紅葉
小皿 大聖寺伊万里
折敷 秋草月蒔絵

本席
軸 開門落葉多 盛永宗興老師筆
花 ほととぎす
花生 旅枕花入 楽斎造
香合 時代鳴海織部ハジキ香合
釜 万代屋釜 敬典造
炉縁 掻合塗
風炉先 更紗(バティック) 紺々堂製
棚 更好棚 可映作
水指 南蛮縄簾水指
茶碗 井戸写 鈍阿造
古袱紗 撫子紋
茶入 飛鳥川写 三代祥平造
仕覆 石畳金襴
薄器 キンマ中棗 筑城筑良造
茶杓 無一物 立花大亀老師造
蓋置 色絵仁清銀杏蓋置 清閑寺窯造
建水 唐銅フエゴ 淨雲造
主菓子 落ち葉焚き 薫々堂製(大阪)
重箱 竜田川蒔絵
小皿 大聖寺伊万里

主茶碗 黒釉竜田川茶碗 森里陶楽造
薄器 キンマ中棗 筑城筑良造
茶杓 紅葉狩 宗巨造
干菓子 田舎屋(麩の焼) 河藤製(大阪)
干菓子器 四方盆 煌又造

それでは、皆様もシャンソン「枯れ葉」をお楽しみください。
音楽と茶の湯のコラボレーションは、堀宗凡先生を想起させます。
本日参加された方は、おつきあい、ありがとうございました。
また、宜しくお願い致します。

Follow me!

おすすめの関連記事はこちらです。あわせてどうぞ。

大阪の茶室で楽しむシャンソン、「枯葉」(Les Feuilles mortes)” に対して 2 件のコメントがあります

  1. いま より:

    龍田川、紅葉狩りなど、うってつけの取り合わせですね。龍田川の重箱素敵です。
    岩田正「イヴ・モンタンの枯葉愛して三十年妻を愛して三十五年」というユーモラスな現代短歌が好きで、その存在は知っていましたが、歌は初めて聴きました。待合で流れたらしんみりと季節を感じられそうです!

    1. sehbi-an より:

      コメント、ありがとうございました。この現代短歌、知りませんでした。とてもユーモラスで面白いですね。茶の湯とシャンソンのコラボレーションを理解して頂けてとても嬉しいです。また当庵で茶の湯をお楽しみ下さい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です