菊炭

のこぎりで切った断面が菊の花のように見えるので、菊炭という名があります。

炭の中でも特に高い評価を得ているのが、この菊炭になります。

 

クヌギを原料とした炭が、このような美しくて素晴らしい菊炭となります。

 

かつては、佐倉炭というものがクヌギの木炭として江戸時代には有名でしたが、現在は焼かれていないようです。

 

一方、池田炭(能勢菊炭)がクヌギの木炭として有名で古くから知られており、大阪府能勢町、兵庫県川西市で現在でも焼かれています。

 

周辺の山々の集落で、銀や銅の洗練用の炭として焼かれたのが始まりで、その集積地が現在の池田市だったので、池田炭と呼ばれています。

それが、茶の湯でも使われるようになったのです。

 

久安1年(1145年)から明治3年(1870年)まで、池田市伏尾町にある久安寺が、茶の湯のための池田炭を宮中に献上しました。

長享年間(1487-1488年)、池田の椋橋屋治朗助が室町幕府8代将軍足利義政に献上しています。

文禄4年(1595年)には豊臣秀吉が池田市伏尾町の久安寺の塔中である常住院で観月の茶会を催した際に池田炭を用いたそうです。

 

需要が減る中、炭を焼く後継者が不足しているようです。

茶の湯で使う炭を確保するのも将来的に難しくなりそうです。

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