建物には構造的機能上、換気や採光のために、窓が備え付けられています。
また、眺望を楽しんだり、閉塞感からの解放されたりするという心理的機能の面でも有用です。

 

太陽の動きを考えると、北は、光の変化が最も少ない方角です。
逆に、南はそれが最も多い方角です。
床を北に設け、東南の光を取り入れるのが好ましいと思われます。

 

茶室にも窓が備えられていますが、障子や簾で調光することができます。
一般に、茶室の中が明るすぎるのは好まれていません。
また、昔は電気がありませんでしたので、室内は薄暗いものでした。

 

茶の湯は、陰陽五行説と深く関与していますが、初座は陰で、後座は陽となります。

 

「数奇屋ニテ、初座、後座ノ趣向ノコト、休云、初ハ陰、後ハ陽、コレ大法也、座ニ床ハカケ物、釜モ火アイ衰ヘ、窓ニ簾ヲカケ、ヲノヽヽ一座陰ノ体ナリ、主客トモニ其心アリ、後座ハ花ヲイケ、釜モワキタチ、簾ハヅシナド、ミナ陽ノ体ナリ」
『南方録』

 

初座では障子や簾が閉めて暗くし、後座では障子や簾や突き上げ窓を開けて明るくします。

 

窓には連子窓、下地窓などの種類があります。
連子窓とは、縦に角材や竹を連子格子として並べたものです。
特に、有楽窓は竹を隙間なく並べたもので、連子窓の一種です。
下地窓とは、壁を塗り残して下地を見せたものです。

 

谷崎潤一郎の『陰影礼賛』は、光について書かれたものです。
一読されてみてはいかがでしょうか。

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