安宅コレクション

大阪市立東洋陶磁美術館には、かつて安宅コレクションと呼ばれた世界有数の陶磁器コレクションがあります。
安宅コレクションは、中国陶磁144件と韓国陶磁793件からなり、その中には国宝2点と重要文化財12点があります。
油滴天目茶碗と飛青磁花生が国宝となっています。

 

このコレクションは、安宅産業の社長であった安宅英一が集めたものです。
美への執念とも言うべき収集へのこだわりの結果、中国・韓国陶磁器の一大コレクションが形成されたのです。
しかし、昭和52年(1977年)に安宅産業の倒産すると、コレクションの散逸が危惧しされました。
その際、住友銀行を中心とする住友グループが大阪市の基金に買い取り金を寄付する形で、大阪市に寄贈されました。
この結果、1点も欠けることなく、コレクションが継承され、美術館に所蔵されています。

 

安宅産業や安宅コレクションは小説にもなっています。

 

松本清張著の『空の城』では、総合商社の崩壊の過程を描いた作品です。

 

立原正秋『春の鐘』では、美に取り憑かれた男が中国・韓国陶磁器の美術館の館長となり、やがて館長の職を辞して在野となり、古風な女と暮らすという話です。

 

大阪市に訪れた際には、是非とも東洋陶磁美術館に足を運びたいものです。

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