亀蔵棗
亀蔵棗(きぞうなつめ)は、円能斎好一閑張り黒中棗です。
大正9年(1920年)の又玄斎一燈居士の150年忌に記念として50個、円能斎が飛来一閑に作らせたものです
その模様は、九星を意匠化したものになっています。
亀蔵は、古代中国の三易の1つである殷時代の帰蔵に因っているとされています。
中国最初の王朝である夏の初代皇帝である禹が、治水のときに現れた亀の甲に刻まれていた魔方陣が九星術の元とされていて、帰が亀に代わったのでした。
九星とは、一白水星、二黒土星、三碧木星、四緑木星、五黄土星、六白金星、七赤金星、八白土星、九紫火星を指します。
次ぎの魔方陣ですが、上が南で、下が北になります。
1から9を1回ずつ使って、縦横斜めの和が15となる3×3の魔方陣はこれしか存在しません。
そのため、とてもエネルギーが籠もっています。
四 九 二
三 五 七
八 一 六
これを基本として、翌年には数字が1つ減っていきます。
但し、一の次は九となって、循環していくのです。
中央は中宮と呼ばれて、生まれた年に中宮にある星が本命星となります。
数字や星の魔力が亀蔵棗には備わっているかもしれません。
そこに収められた、かつては薬とされた抹茶はさぞかし霊験あらたかでしょう。