畠山即翁
畠山一清は、明治14年(1881年)に生まれ、光悦会を終えて、昭和46年(1971年)11月17日に亡くなりました。
能登国主畠山氏の後裔で、東京帝国大学工科大学を卒業して、ポンプの技術を頼りに荏原製作所を創設しました。
即翁は、彼の号です。
数寄者として益田鈍翁とも交流があり、茶の湯を支えました。
宝生流の能楽と裏千家の茶道を学びました。
そして、畠山記念館に彼のコレクションが収められています。
その素晴らしい茶道具で開いた茶会の会記を見ることにしましょう。
昭和46年光悦会会記
濃茶席 大虚庵
床 重文 大灯国師墨跡
名月軒に於いて書す 明輪禅尼ニ与フ
花入 柳営御物 古銅耳付 銘九州
花 白玉 獅子王
釜 古芦屋 梅竹地紋 紹鷗文添
炉縁 沢栗 利休在判 認得斎箱
水指 南蛮縄簾
茶入 大名物 円乗坊肩衡 古瀬戸
挽家藤細工篠筋 外挽家 花櫚
袋 鶏頭裂 紹智裂 角倉花兎
信長本能寺什物 古市播磨所持
円乗坊ニ伝ル
盆 唐物松ノ木 嘉靖三十四年秋日銘有
茶碗 大名物 割高台 百会ニ用ユ
古田織部所持 万仭和尚箱 鴻池家伝来
帛紗 利休漢東
茶杓 津田宗及共筒 替筒随流 同箱
建水 木地曲
蓋置 青竹引切
御茶 清昔 柳桜園詰
菓子 蔦の霜 末富製
器 光悦好鉋目銘々盆
昭和最後の数寄者の道具は凄いものでした。
今では、誰も真似できないと思われます。