古茶会記
茶の湯の歴史を探る上で古茶会記はとても重要なものとなります。
当時の生の声そのものだからです。
茶の湯の構成要素には、茶室、点前、道具という3つがひつようですが、茶会記は道具に焦点が当てられています。
茶会記とは、茶会の日時、場所、道具、懐石の献立、参加者などを記した記録のようなものです。
『松屋会記』、『天王寺屋会記』、『宗湛日記』、『今井宗久茶湯書抜』
これらを特に古茶会記と呼ぶこともあります。
『松屋会記』は、現存する最古の茶会記で、奈良の漆屋である松屋源三郎家の久政、久好、久重の3代にわたる断続する自他の茶会に関して、天文2年(1533年)から慶安2年(1650)まで書かれています。
『天王寺屋会記』は、堺の豪商である天王寺屋津田宗達、宗達の嫡子宗及、宗及の子宗凡と江月宗玩の3代にわたる自他の茶会に関して、天文17年(1548年)から天正18年(1590年)まで書かれています。
『宗湛日記』は、博多の豪商である神屋宗湛の他会記で、天正 14 年(1586年)から慶長 18年 (1613年) まで書かれています。
『今井宗久茶湯書抜(かきぬき)』は、堺の豪商である今井宗久他会記で、天文23年(1554年)から天正17年(1589年)まで書かれています。
過去の茶会記を読むと新たな発見があるかもしれません。
まさに温故知新というものです。