花びら餅

茶の湯の初釜でよく用いられるお菓子に、花びら餅があります。

これは、新年の宮中行事であった歯固めの儀式で使われた菱葩(ひしはなびら)を原型とするお菓子です。

歯固めの儀式とは、正月に固い物を食べることで歯を丈夫にして、健康や長寿を願うものです。

そこで、大根、瓜、押鮎、鹿肉、猪肉、鏡餅などの固いものが食べられました。

また、歯固めの習慣は、全国各地に存在し、食べる物も地域性があります。

 

『荆楚歳時記』という中国の書物によれば、膠牙餳(こうがとう)と呼ばれる固い飴が年初に食べられていたことが分かります。

これが、日本に伝わり、歯固めの風習として定着しました。

 

花びら餅は、半月型をした菱餅の中に牛蒡と味噌餡が入っています。

餅の代わりに、求肥が用いられることもあります。

牛蒡は押鮎、味噌は雑煮を見立てたものと言われています。

 

ところで、以下のようなお菓子を食べたりして、お茶を楽しみました。

 

hanabira-mochi

主菓子 花びら餅 駿河屋製(京都)

菓子器 一閑縁高 表雲斎造

 

それでは、新年に長寿を祈願して、花びら餅を食べてみてはいかがでしょうか。

Follow me!

おすすめの関連記事はこちらです。あわせてどうぞ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です