墨跡の出典

茶席の床に掛けられる墨跡には出典があります。

その代表的なものが、『臨済録』、『碧巌録』、『無門関』、『寒山詩集』、『五灯会元』、『大燈国師語録』になります。

 

『臨済録』は、唐代、臨済宗宗祖である僧臨済義玄の言行録です。

 

『碧巌録』は、宋代、雪竇重顕 (せっちょうじゅうけん) が選んだ百則の公案に、圜悟克勤(えんごこくごん)が垂示(総評)・評唱(短評)・著語(講釈)を加えたものです。

臨済宗の宗門第一の書と位置づけられています。

 

『無門関』は、南宋代、紹定1年 (1228年)に臨済僧無門慧開により成立し、古則・公案四十八則を選んで、頌と評唱を加えたものです。

臨済宗の入門書となっています。

 

 

『寒山詩集』は、唐代、寒山と拾得の詩作品を310首集めたものです。

古来、禅門では読諦されてきました。

 

『五灯会元』は、「景徳伝灯録」、「天聖広灯録」、「建中靖国続灯録」、「宗門聨灯会要」、「嘉泰普灯録」の5つの禅宗史書からなるもので、南宋時代に成立しました。

 

『大燈国師語録』は、大徳寺の開山である大燈国師宗峰妙超(しゅうほうみょうちょう)の語録になります。

大徳寺は正中2年(1325年)に創立されました。

 

いきなり出典に当たるのではなく、茶席の床に掛かった墨跡と対峙してみてください。

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