石灯籠
石灯籠は、露地の蹲の脇に配置されている石製の灯籠のことです。
必ずしも蹲の側に限らず、しかるべき場所に置かれて、火を入れて暗闇を照らします。
本来は、寺社への献灯に用いられましたが、やがて庭にも使われるようになりました。
中国から朝鮮を経て、石灯籠の原型が仏教とともに伝来しました。
そのため、初期は、寺院への献灯に用いられました。
当麻寺にある石灯籠は、凝灰岩で奈良時代前期に造られたもので、日本最古のものとして重要文化財となっています。
構造的には、上から宝珠、笠、火袋、中台、竿、基礎という6つの部材からなります。
種類には、春日灯籠、織部灯籠、雪見灯籠などがあります。
織部灯籠は、露地で使うために考案されたもので、蹲の側に置かれます。
竿を地中に埋めて立て、また、竿上部は左右に僅かに膨らみ、全体として十字架のように見えます。
そのことから、キリシタン灯籠とも呼ばれます。
竿の下部には、僧形の人物が彫刻されていますが、マリアと捉えることもできます。
古田織部の好みであるため、その名があるとされています。
石灯籠が庭にあるととても風情を感じられます。
小型の石灯籠も製産されていますので、ちょっと置いてみてはいかがでしょうか。