東山御物
東山御物(ひがしやまごもつ、ひがしやまぎょぶつ)は、室町幕府8代将軍である足利義政が収集した絵画・茶器・花器・文具などのコレクションを指します。
また、場合によっては、足利将軍家の所蔵した美術工芸品を指すこともあります。
これは、江戸幕府徳川将軍家の柳営御物を意識した呼称です。
『君台観左右帳記』は、同朋衆である能阿弥によって東山御物に収められる唐絵、墨跡、漆器、香炉、花瓶、茶盞、茶壺、茶入などについて書かれたものです。
この書物には、3代義満の所蔵印「天山」「道有」、義満の同朋衆である善阿弥によって善阿倉で管理されたことを示す印「善阿」、6代義教の所蔵印「雑華室」の押された収蔵品も含まれているので、東山御物は足利将軍家の所蔵したもので構成されていると考えられます。
東山御物の多くが現在、国宝、重要文化財に指定されています。
国宝「油滴天目」、南宋時代
重要文化財「青磁茶碗 銘馬蝗絆」、南宋時代
「唐物肩衝茶入 銘遅桜」、南宋時代
国宝「桃鳩図」、北宋時代、徽宗筆
国宝「瀟湘八景図 漁村夕照」、南宋時代、牧谿筆
重要文化財「寒山拾得図」、元時代、伝顔輝筆
しばしば美術館で展覧会を催されますので、足を運ばれてはいかがでしょうか。