八窓席 庵号解読

八窓席は、南禅寺の塔頭である金地院にある重要文化財の茶室です。

 

小堀遠州が、寛永4年(1627年)の以心崇伝の依頼を受けて、既にあった建物を改修して翌年に完成させました。

 

三畳台目の席で、書簡や創意などから解明すると小堀遠州が手を加えた箇所は、躙り口と床回りであると考えられます。

 

通常、躙り口は部屋の隅に設けられることが多いですが、外縁から続く中央近くに設けられています。

そして、床と点前座が並べて配置されており、天井の竿縁が床に平行ではなく、床指しになっています。

 

しかしながら、八窓席の窓の数は、6つになっています。

実際に窓が8つの茶席も存在しているが、窓を6つにしたのは、明るさを抑える調光、及び、造りを簡素にする構造の理由が考えられます。

8は数が多いという意味で、窓の数が多いということで八窓席と呼ばれているとも言われています。

改修で窓の数が減ったという説もあります。

 

大森貝塚で知られるE.S.モースは、『日本その日その日』という見聞録の中で、八窓席を訪れたときのことを以下のように記しています。

 

「有名な茶人小堀遠州が二百五十年前に建てた茶室は、茶の湯の簡素と荘厳とに適わしい、意匠の簡単さのよい例である。」

 

八窓席は申し込みをすれば、見学することができるようです。

是非、見学されてみてはいかがでしょうか。

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