渓声山色
渓声山色(けいせいさんしょく)は、茶席によく掛けられる文言です。
「渓声山色」
谷の音も、山の色も昔から変わらず、そのままです。
それは、谷川の流れは如来の説法で、山の色が仏の姿なのです。
ありのままの自然が教えそのものであるということです。
これは、蘇東坡(蘇軾)の詩が出典になっています。
「贈東林総長老」
渓声便是広長舌
山色豈非清浄身
夜来八万四千偈
他日如何人挙似
(渓声、便チ是レ広長舌
山色豈ニ清浄身ニ非ザランヤ
夜来八万四千ノ偈
他日如何ガ人ニ挙似セン)
そして、道元の著した『正法眼蔵』には以下に引用されています。
「盧山にいたれりしちなみに、渓水の夜流する声をきくに悟道す。偈をつくりて、常総禅師に呈するにいはく「渓声便ち是れ広長舌、山色清浄身に非ざること無し。夜来八万四千偈、他日如何が人に挙似せん。」この偈を総禅師に呈するに、総禅師、然之す。」
『正法眼蔵』渓声山色巻
都会の暑さなどから逃れるためにも渓声山色の地にちょっと出掛けてみたくなりました。
永平寺の周辺はそういう場所かもしれません。
さて、渓声山色をどう説明しましょうか。