三十六歌仙
三十六歌仙は、平安時代中期の藤原公任が選んだ優れた歌人36人のことです。
藤原公任の著した『三十六人撰』という歌合形式の秀歌撰で取り上げられた歌人になります。
この中では合計150首が選ばれています。
その36人は以下のようになりますが、百人一首に取り上げられている歌人も多数います。
柿本人麿、紀貫之、凡河内躬恒、
伊勢、大伴家持、山辺赤人、
在原業平、僧正遍昭、素性法師、
紀友則、猿丸大夫、小野小町、
藤原兼輔、藤原朝忠、藤原敦忠、
藤原高光、源公忠、壬生忠岑、
斎宮女御、大中臣頼基、藤原敏行、
源重之、源宗于、源信明、
藤原清正、源順、藤原興風、
清原元輔、坂上是則、藤原元真、
小大君、藤原仲文、大中臣能宣、
壬生忠見、平兼盛、中務
三十六歌仙絵巻とは、歌仙の肖像に略歴と和歌1首を添えた紙本着色絵巻です。
「佐竹本三十六歌仙絵巻」
鎌倉初期に作られ、絵は藤原信実、詞は九条良経によるものとされており、2巻存在しました。
しかし、大正8年(1919年)12月20日、各歌仙ごとに切り離され、現在は断簡として存在します。
「上畳本三十六歌仙絵巻」
早くから断簡として存在しています。
貴人専用の畳である上畳に歌仙が座っていますのでその名があります。
絵は藤原信実、詞は藤原為家によるものとされています。
三十六歌仙は、歌撰の中では一同が会しても、絵巻の中では一同が会することはなくなりました。
三十六歌仙絵巻断簡が美術館で展示される際には足を運んでみてください。