本来無一物

「掛物ほど第一の道具ハなし、客・亭主共ニ茶の湯三昧の一心得道の物也、墨跡を第一とす、其文句の心をうやまひ、筆者・道人・祖師の徳を賞翫する也」

これは、『南方録』という千利休の侘び茶の思想を記した書物の中に書かれているものです。

つまり、掛物が茶の湯の道具の中で最も大事であり、特に禅僧の書いた墨跡が好んで使われます。
茶禅一味という言葉に示すように、茶の湯は禅と深い関係があることに基づいているからだと考えられます。
禅僧の墨跡により茶の湯の精神性が高められているのです。

「本来無一物」

宇宙諸法の実相は本来空であり無一物のものである、ということです。

muichibutsu

現在、私たちの周りには物が溢れています。
また、私たち自身も精神的に何かに囚われていることが多いと思われます。
しかし、これらは、もともとなかったものなのです。
そう考えると、今、悩みなどのある方は、気持ちとして楽になりませんか。

「本来無一物」はよく掛けられる文言で、『六祖壇経』という禅宗の経典が出典となっています。

禅宗の5代目の弘忍禅師が弟子たちに禅の悟りの境地を示させたところ、慧能という弟子が答えたのが、以下のものです。

「菩提本樹無く明鏡も亦台に非ず
本来無一物
何れの処にか塵埃を惹かん」
(悟りを宿す樹はなく、明鏡という心もない。
本来無一物であるので、塵埃のたまることもない。)

ミニマリストという持たない暮らしが 昨今、注目されていますが、その理由が垣間見られたようです。


「なんでもないや」 RADWIMPS

君のいない世界にも何かの意味はきっとあって

でも君のいない世界など夏休みのない八月のよう

君のいない世界など笑うことないサンタのよう

君のいない世界など

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