大阪の茶室で楽しむ秋月

中秋は過ぎましたが、秋は月が綺麗です。

春の朧月と違って、秋は空気が乾燥しているため、澄んだ空に浮かぶ月はとても映えるのです。

 

武蔵野は月の名所として知られています。

それは、鎌倉時代に、月見には付き物の薄と共に武蔵野が和歌に詠まれるようになってからのようです。

それ以前にも、『万葉集』や『伊勢物語』では武蔵野は草叢の原野として登場しています。

武蔵野と月が共に詠まれている和歌を示します。

「むさしのは月の入るべき峯もなし尾花が末にかかるしらくも」(続古今和歌集、巻4、425、源通方)

「むさしのはゆくすゑちかくなりにけりこよひそみつるやまのはのつき」(続古今和歌集、巻4、879、藤原知家)

「行く末は空もひとつのむさしのに草の原よりいづる月かげ」(新古今和歌集、巻4、422、藤原良経)

 

本日は、小学生のときに茶道体験をして以来の方がお茶を当庵で楽しまれました。

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以下のような趣向でお茶を楽しみました。

 

寄付待合

軸 畦豆赤蜻蛉図 庭山耕園筆

硯箱 秋草に月兎の図

 

本席

軸 「円相」露堂々 盛永宗興老師筆

花 薮蘭 女郎花 水引

花生 一重口竹花入 三代瓢阿造

敷板 黄金壇薄板

香合 雲月に兎竹 玄月造

釜 唐松地紋筒釜 浄清造

風炉先 更紗(バティック) 紺々堂製

棚 玄々斎好 更好棚 可映造

水指 松竹梅染付六角

茶碗 井戸写 鈍阿造

古袱紗 早雲寺文台裂

茶入 肩衡 鉄釉瀬戸 春日蓋

仕覆 時代裂

茶杓 むさし野 二代瓢阿造

蓋置 飴釉輪蓋置 中印 了入造

建水 唐銅フエゴ 淨雲造

主菓子 秋月 福壽堂秀信製(大阪)

菓子器 菊光琳蒔絵重箱

御茶 鵬雲斎大宗匠好 慶知の昔 小山園詰

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茶碗 色絵武蔵野平茶碗 通次寛斎造

薄器 雪月花蒔絵中棗 秀穂造

茶杓 吾心似秋月 宗巨造

蓋置 色絵むさし乃蓋置 清閑寺窯造

干菓子 兎 尾花 河藤製(大阪)

干菓子器 四方盆 煌又造

 

武蔵野で、とは言いませんが、月を愛でてみてはいかがでしょうか。

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