箱の高さのセッシュー
セッシューするとは、日本人俳優の早川雪洲の背を高くするために台に載せたことから、背の低い人を台に載せて高く見せる行為を指す映画界の業界用語です。
転じて、かさ上げをすることも意味するようになっています。
先日、小服の黒楽茶碗を購入しましたが、その養生箱は屋久杉を材とした素晴らしいものでした。
しかしながら、茶碗を納めるには丈が低いため、このままでは養生箱としての機能が完全には果たせないと思われます。
そこで、箱の丈を上げるために、自分で板材を追加することにしました。
折角なので、唐木を用いようと考えました。
かつて唐木はとても貴重な材でしたので、一部だけに唐木を使った箱が知られています。
大体20 mmほどかさ上げすればよいので、東急ハンズに唐木の板材を早速買い求めに行きました。
杉箱は厚さ6 mmの板が使われていますが、売られていた板の厚さは5 mmでした。
黒檀を使いたかったのですが30 mmだったために諦めて、20 mmの材があった花櫚、紫檀などにすることにしました。
しかしながら、色や杢の優れた花櫚材が反っていたので、パドックという赤い材にしました。
そして、一種ではなく、紫檀と組みあせたデザインとしました。
20 mm x 200 mm x 5 mmという板材をそれぞれ2枚ずつ買いました。
箱の幅が120 mmであったので切断を依頼しようとしましたが、この材の切断はしてくれないということでした。
そこで、自分で、紫檀を120 mmに、パドックを110 mmにノコギリで切りました。
ガイド付きのノコギリを用いて直角に、且つ、直線に切ることができました。
接着剤で貼り合わせましたが、はみ出した接着剤がパドックに染み込んで染みとなってしまいました。
400番のサンドペーパーで、接着剤を削ったり、表面を磨いたりしました。
また、角の面取りをダイヤモンドヤスリで擦って行いました。
パドックに染みがあるので、蜜蝋ワックスを側面と上部に塗布して艶を出しました。
本体に接着剤で取り付けるのは抵抗があったので、両面テープで留めて、いつでも手を加えられるような状態にしました。
出来上がった箱は、屋久杉と唐木という贅沢な材を用いているので、とても素敵なものとなりました。
それでは、皆様も自作の養生箱造りを楽しまれてはいかがでしょうか。
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