吾心似秋月
吾心似秋月(わがこころ、しゅうげつににたり)
この時季に相応しい文言で、やはり茶席の床によく掛けられます。
秋の月は、澄み切った空にあって、輝きを放っています。
煩悩のない心もまた、曇りなく澄み切った中に置かれていて輝いているのです。
出典は、寒山詩になります。
吾心似秋月
碧潭清皎潔
無物堪比倫
教我如何說
(吾ガ心秋月ニ似タリ
碧潭清クシテ皎潔タリ
物ノ比倫ニ堪エル無シ
我ヲシテ如何ゾ説カシメン)
秋月の清らかな姿は、他に喩えようもないもので、そして、それを説明することもできないほど、ということです。
寒山拾得の寒山は、浮き世離れをした生き方をしています。
しかし、秋月のような心を持って清らかな生き方をしているのです。
これを説明したくともできない、というよりも世俗の人達が理解できないということでしょう。
このような生き方ができればよいと思いますが、煩悩から解放されることでそれに近い生き方は可能となります。
とはいうものの、それができたら苦労はないのですが。
秋の夜空に浮かぶ月を見て、かくあらんと考えてみてはいかがでしょうか。
寒山のようになれたらよいでしょう。


