桃花依旧笑春風
平成丙申 弥生 啓蟄 次候 桃始笑
本日は、七十二候の桃始笑になります。
「桃花依旧笑春風」
桃の花はいつもの年と同じように美しく咲いたけれども、去年ここで見た美しい女性は、もはやいない、という、世の無常を表したものです。
それ故、一期一会という姿勢が大事になるわけです。
出典は、唐代の詩人である崔護の漢詩になります。
題都城南荘
去年今日此門中
人面桃花相映紅
人面不知何処去
桃花依旧笑春風
(都城の南荘に題す
去年の今日 此の門の中
人面 桃花 相映じて紅なり
人面 何処に去るかを知らざるも
桃花 旧に依りて春風に笑む)
詩的というよりも、小説的で映画的な 展開です。
実は、この話には続きがあり、『太平廣記・卷第274・情感』に書かれています。
題都城南荘という詩を門に残した数日後、崔護がその門の前に来ると、中から老いた父親の泣き声が聞こえ来ました。
その訳は、一年の間、崔護のことを思い待ちわびていた娘が、門に残された詩を見つけ、悲嘆のあまり、死んでしまったということでした。
崔護が娘の亡骸を起こして話し掛けるとなんと生き返ったのです。そして、二人は、結婚したのでした。
テレサ・テンが、「人面桃花」という歌を歌っているので、聞いてみてはいかがでしょうか。
「前前前世」 RADWIMPS
君の前前前世から僕は 君を探しはじめたよ
そのぶきっちょな笑い方をめがけて やってきたんだよ
君が全然全部なくなって チリヂリになったって
もう迷わない また1から探しはじめるさ
むしろ0から また宇宙をはじめてみようか