夏雲多奇峰

夏雲多奇峰(かうんきほうおおし)

これも夏の時季によく茶席に掛けられる文言です。

夏の青空に峰の如く湧き上がる入道雲は、実にさまざまな形をしていて、その表情を刻々と変えていきます。

雄大な夏の情景です。

出典は、中国の五言絶句になります。

「四時」陶淵明

春水滿四澤

夏雲多奇峰

秋月揚明暉

冬嶺秀孤松

(春水四沢ニ満チ

夏雲奇峰多シ

秋月明暉ヲ揚ゲ

冬嶺孤松秀デタリ)

東晋の顧愷之の詩である「神情詩」に全く同じ4句があります。

そのため、陶淵明ではなく、顧愷之の作であるという説もあります。

何かの手違いで紛れたと思われます。

入道雲とは、もくもくと上空に涌き上がる雄大積雲という積乱雲の前段階の雲のことです。

地表近くの湿気を含んだ空気が急速に上空に上がって冷やされてできた雲で、夕立や雷雨をもたらす夏雲です。

入道雲は、関東では坂東太郎、関西では丹波太郎や但馬太郎、福岡では筑紫太郎、九州では彦太郎(比古太郎)などとも呼ばれます。

入道は、ここでは大きな体をした坊主を指しています。

夏の日の空に湧き上がる入道雲の奇妙な形を観察してみるのも面白いものです。

但し、夕立は粋なものかもしれませんが、ゲリラ豪雨にはお気を付けください。

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