長生殿裏春秋富

『和漢朗詠集』慶賀に所収されている慶滋保胤の詩「慶滋保胤天子万年を祝す」に以下の文言があります。

「長生殿裏春秋富 不老門前日月遅」

長生殿は唐の長安の東北にあった離宮である華清宮の宮殿で、華清宮は「長恨歌」の中で「春寒賜浴華清池 温泉水滑洗凝脂」とあるように楊貴妃が湯浴みしたことで知られます。
他方、不老門は洛陽の城門になります。

これらの文言は、天子の御世が平和で万年も永続することを願ったものですが、転じて、万歳長久を慶賀した語句として、江戸時代の寺子屋では書初めで好んで書かれたりしています。

昔から長生殿は絵画や工芸などにおいて吉祥の意匠として取り入れられています。

鎌倉時代に製作された「長生殿蒔絵手箱」は、徳川美術館の所蔵で重要文化財にもなっています。

また、金沢の森八で作られている「長生殿」という落雁は、小堀遠州卿の命名と揮毫により、加賀藩3代藩主前田利常公のご尽力により創作されました。

健康と長寿を願います。

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