ジョイントマットを使うとカビは生えるの?
疑問確認
ジョイントマットを床に敷くとカビが生えることがあると聞くけれど、その真相はどうなの、という疑問を持っている方がいらっしゃるので、それに答えたいと思います。
寒さ対策となるジョイントマットとは
多目的で購入されることの多いジョイントマットですが、その購入理由に冬のフローリングの冷たさが挙げられます。まさに床の底冷えを遮断するために、ジョイントマットが利用されるのです。
このような用途が可能となるのは、原料となっているEVA(ethylene vinylacetate copolymer)やPE(polyethylene)というプラスティックの一種である柔らかな樹脂という素材です。両者の性質はほぼ同じと考えて差し支えありません。
EVAやPEを用いていることで、ジョイントマットには、断熱性、防音性、弾力性、撥水性、撥油性という性質が備わっているのです。
つまり、撥水性や撥油性であるので、ジョイントマット自身がスポンジのように水分を含むことはありません。しかしながら、断熱性や撥水性という性質のために、床面とジョイントマットの裏面の間に水分が残ると、場合によってはカビの発生することがあるのです。
ここでは、ジョイントマットとカビの関係について検証することにします。
カビという生き物
醤油や味噌などの発酵食品を作るのに不可欠であるにも関わらず、カビにはあまり良いイメージはありません。それは、黒い色の広がりを呈した姿、胞子が抗原(アレルゲン)としてアレルギー反応を引き起こすこと、食品に生えたカビの毒素による食中毒などがその原因であると考えられます。そのため、健康面を考えると、室内ではカビが生えないようにすることが賢明です。
カビは、コロニーを形成する真菌類の総称です。
カビが生育するのに適した環境は、温度は5ºCから35ºCの間で、湿度は30%から80%の間で、栄養となるものが存在するというものです。水分は水蒸気ではなく、表面の水分を利用しています。
最近の家屋は密閉性が高くなっているので、カビが生え易い環境になってしまうのです。
冬場に起こる結露
冬に窓が濡れていることがよくありますが、これが結露と呼ばれるものです。外の冷気で冷やされた窓によって、室内の水蒸気を含んだ暖かな空気が冷やされて凝縮して液体である水となる現象です。
この結露がカビの好む環境を作り、カビが発生することがあるのです。また、床や壁の傷む原因ともなります。
ジョイントマットと結露
窓の結露はそのままにしておくと、下に垂れてきます。そして、ジョイントマットの上に水滴が垂れてきた場合、シート同士を繋いでいる連結部に水が広がってくると、その繋ぎ目を伝わって毛細管現象でジョイントマットの裏側と床面の間に水分が密着した状態で拡散します。
こうなると、ジョイントマットは撥水性を示すため、水分が蒸発せずにそこに留まることになります。そして、カビが発生することになるのです。
従って、結露の水滴が垂れてくるような場所に、ジョイントマットを敷くことはなるべく避けた方がよいのです。
ジョイントマットの上に液体をこぼしたら
結露と同じ理由で、ジョイントマットの上に、水やジュースをこぼした場合、マットの連結部を通って裏面に回って、そのまま水分が残ることになります。そして、カビが発生することになってしまいます。
そのため、ジョイントマットの上に水などをこぼしたら、直ぐに表面を拭くとともに、ジョイント部分を外して、濡れたマットの周囲を含めたジョイントマットを上げて、マットの裏面と床を拭いて乾燥させてください。
ジョイントマットの上の布団
ジョイントマットの上の布団
ヒトは寝ている間に約200 mLの汗をかいています。そのため、布団などの寝具には水分が多く含まれているのです。
そのため、ジョイントマットの上に布団を敷いている場合、カビが生えることがあります。それは、布団とジョイントマットの間、もしくは、床とジョイントマットの間の2通りが考えられます。
従って、カビが生えないようにするには、布団をこまめに上げて、風が当たるようにして水分を飛ばしてあげることが必要になります。
また、ジョイントマットの上に布団を敷かないのも1つの手ですが、結局、どこかに布団を敷かなければいけません。それ故、布団をこまめに上げることが最善のカビ対策になります。
ジョイントマットのカビを防ぐための施策
ジョイントマットに水が掛かった際に対応するのも当然ですが、たまにジョイントマットを上げて、床とマット裏面に風を当てて水分を飛ばすことが習慣となっていることが好ましいです。この際、カビが発生しているかどうかも確認することできます。
まとめ
以上より、ジョイントマットにカビが生えないようにするには、結露でできた水滴、こぼしてしまった水を速やかに拭き取ると同時に、ジョイントマットを外して上げて、マット裏と床も拭いてください。そして、よく乾燥させてからはめ込んでください。
また、日頃からジョイントマットを上げて、異常がないか確認するとともに床とマット裏面に風を当てて水分を飛ばしてください。
それでは、ジョイントマットを適切に使って、カビのない快適な生活をお送りください。