意外と多いジョイントマットへの重ね敷き
■意外と多いジョイントマットへの重ね敷き■
▪フローリングの良い点と難点
最近造られた日本の住宅は、ほとんどが床材としてフローリングが採用されています。畳の敷いてある部屋がとても稀になりました。
これは、メンテナンスが容易なこともありますが、何よりも生活スタイルが西洋化したことが背景にあります。つまり、椅子に座る生活が一般的に行われるようになったのです。
堅い素材でできているので、椅子、テーブル、ソファー、ベッドのような家具を置いて使うのに優れています。
このように、フローリングには多くの良い点があります。
ところが、フローリングにも難点があります。
柔道に畳が使われていることからも分かるように畳には幾分の弾力性が備わっています。
しかし、フローリングは堅くて滑り易いために、転倒して怪我をすることもあります。また、冬になると床の冷たさが著しいです。
そのため、フローリングの難点を克服する目的で、その上にさまざまな敷物が敷かれます。絨毯、カーペット、そして、ジョイントマットなどです。
▪ジョイントマットの良い点と難点
ジョイントマットは、EVAやPEという軟らかい樹脂で造られています。そのため、フローリングの堅さが解消され、多くの場合、転倒しても大事には至りません。
このような樹脂でできているので、撥水性や撥油性という性質を備えています。従って、絨毯やカーペットに比べて、液体をこぼした際の対応が容易です。表面を拭き取って仕舞えば良いのです。
また、表面が滑らかで平らなので、絨毯やカーペットとは違ってごみが入り込むことができません。そして、このような表面構造のため、ダニも隠れようがありません。
そして、冷気や音を遮断するので、余計な気を使わないで済みます。
このようなメリットをジョイントマットは備えています。
他方、難点としては、冬の冷気を伝えないのはよいことですが、それ自体が発熱しないので温かくはありません。つまり、温かくするには何かしらの熱源が必要となります。
夏は、撥水性であるため、汗を吸い取りません。そのため、逆にさらっとした感じを受けるかもしれません。
そして、ジョイント式であるので、大量に汗をかいたりした場合、そのつなぎ目の間を伝わって裏側に毛細管現象で回ってしまう可能性があります。こうなると、知らないうちにカビが生えてしまうことになって、アレルギー反応を引き起こすことにもなりかねません。
従って、多くの利点があるジョイントマットですが、デメリットもあり、その対策を講じることが求められます。
▪冬の電気カーペット
冬の寒さを足元から暖めてくれるアイテムとして、電気によって熱を発する電気カーペットがあります。
これをジョイントマットの上に敷けば、暖かく過ごすことができます。そして、ジョイントマットの熱断熱性により、床に熱が逃げていくことはないと考えられます。
ここで気になるのは、ジョイントマットは熱で変形しないかということです。実のところ、その素材であるEVAやPEは熱可塑性という性質を持っており、ある温度を越えると軟らかくなり、反対にその温度よりも低くなると固くなります。
この温度を軟化点と言いますが、EVAの軟化点は、60ºCから90ºCの間で、PEの軟化点は、80ºCから90ºCの間にあります。
そして、電気カーペットの表面温度は、最も高く設定した場合、50ºCを越えないことが、独立行政法人である国民生活センターが平成16年11月5日に発表した報告「暖房器具の安全な使い方 その1 電気カーペット ~実使用上の安全性~」で無作為に選んだ5銘柄で確認されています。
従って、電気カーペットの熱でジョイントマットは変形しないと言えます。
また、同様の理由でこたつをジョイントマットの上に敷いて使うこともできます。
独立行政法人国民生活センターの商品テスト結果「幼児がやけどを負い、こたつ布団なども焦げた電気こたつ」(平成27年3月19日)では、こやつのヒーターカバーの温度は最大で約90ºCという結果でした。
そして、メーカー2社の取り扱い説明書には、目盛りを強に合わせた際のこたつの側面の温度の目安はともに65ºCと書かれています。
このため、ヒーターとジョイントマットの間に空間があるので、これよりも低い温度なり、軟化点を越えないと考えられます。
しかし、念のため、アルミニウム製の断熱シートをジョイントマットとこたつの敷き布団の間に挟むことをおすすめします。
▪夏の綿素材のキルトマルチカバー
夏の暑さは耐えがたいもので、大量の汗をかくことになります。しかし、この汗をジョイントマットは吸い取ってくれません。
また、樹脂製のジョイントマットに直に寝転ぶことに抵抗を感じる人は、その上に何かしらの物を敷いていることがよくあります。
そこで、綿素材のキルトマルチカバーをジョイントマットの上に敷いているという方が多くいらっしゃいます。
赤ちゃんを寝かせる際には、ジョイントマットの上に布団やブランケットを敷いている家庭も少なくありません。
これで、赤ちゃんの更に健やかに眠ることができます。
▪ソファー周りのラグマット
ソファーは、特にリビングルームのように多くの時間を費やすことになる部屋にある場合、リラックスするために利用されるものです。
そのため、その周りには自分の好きなもので満たされていたいものです。このような場合、ジョイントマットの上に局所的にラグマットのようなものを敷いて、その上に足が来るようにしている例も多くあります。
あまり大きくないラグマットのようなものであれば、掃除の際、どけることも容易なので、メンテナンスが楽です。これで、衛生面でも問題がなくなります。
▪まとめ
以上より、ジョイントマットの上に更に別のアイテムを置いて利用することが充分可能です。
熱を発する電気カーペットの温度でも、ジョイントマットが熱で変形することはまずありません。また、キルトマルチカバーを敷くことも問題はありません。
そして、ラグマットを部分的に敷くことも、きちんと掃除をするのであればよいと考えられます。
それでは、ジョイントマットの上に適宜、ものを敷いて、更に快適な生活をお過ごしください。
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