シックハウス症候群の原因物質はジョイントマットに含まれるの？

■シックハウス症候群の原因物質はジョイントマットに含まれるの？■

▪疑問確認▪

ジョイントマットは化学製品みたいだけれど、シックハウス症候群の問題などはないの、という疑問を持っている方がいらっしゃるので、それに答えたいと思います。

▪シックハウス症候群▪

最近の住宅は、気密性が高いために、隙間風などに悩まされることからは解消されました。しかしながら、シックハウス症候群と呼ばれる新たな問題が発生するようになりました。

新築の壁紙に使われた接着剤、そして、新しい家具の塗料や接着剤などから有害な化学物質が揮発して、人に害を及ぼしているのです。

シックハウス症候群の症状として、皮膚や喉や目の痛み、頭痛、吐き気などが挙げられます。

そのため、折角購入した新築の家で、シックハウス症候群とならないための対策や予防が必要となります。

▪原因となるホルムアルデヒド▪

シックハウス症候群の原因となる化合物には幾つか知られていますが、中でも、ホルムアルデヒドとクロルピリホスが主要なものとなっています。

そして、シックハウス症候群の対策として、クロルピリホスは使用が禁止となりました。また、ホルムアルデヒドは、その揮発量が厳密に管理されるようになりました。

すなわち、JIS（日本工業規格）とJAS（日本農林規格）では、ホルムアルデヒドの放散量が等級表示されているのです。

▪ジョイントマットという敷物▪

新築の家を買った際にフローリングに傷が付くのを避けるために、ジョイントマットを敷く家庭が多くなっています。やはり、新しい家の節々に傷が付くのは、高額な買い物を煩雑な手続きで購入した人にとって身を切るような感じがするものです。

厚みのある軟らかい素材でできているので、断熱性、遮音性、弾力性、撥水性、撥油性などの特性をジョイントマットは備えています。

床の傷防止以外にも、防寒、防音、転倒の怪我予防、寝転びなどの用途でも使われています。実に多彩な機能を有しているのです。

そして、カラーバリエーションにも富んでいますので、ジョイントマットを敷くことで室内が華やかになります。

こうして、ジョイントマットはとても人気となっているのです。

▪ジョイントマットに含まれる化学成分▪

ジョイントマットは、EVA（ethylene vinylacetate copolymer）やPE（polyethylene）という軟らかい樹脂でできています。すなわち、EVAは、エチレンと酢酸ビニルをモノマーとする共重合体です。他方、PEは、エチレンをモノマーとする重合体です。高分子であるため、揮発することはないため、シックハウス症候群を惹起することはありません。また、安定した構造であるため、肌に触れても有害事象を引き起こすこともありません。

そして、原料には、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドは含まれていません。更に、接着剤などは使用されていないため、付帯的なホルムアルデヒドも含まれていません。

しかし、多彩なカラー仕様を用意するためにEVAに混ぜられている塗料には、場合によってはホルムアルデヒドが含まれている可能性は否定できません。

それ故、安全を期するために、ジョイントマットを購入するに際しては、信頼できる検査機関でホルムアルデヒドを始め、有害物質の含まれていないことを確認した製品を選びたいものです。

実際、「やさしいジョイントマット」という商品名のジョイントマットは、厚生省令第34号　アセチルアセトン法（乳幼児用）のホルムアルデヒドの検出試験において、基準値の0.05 ppmを下回る0.01 ppm未満という検出値を得ました。従って、ホルムアルデヒドの危険性のないことが実証されているのです。

ホルムアルデヒドの放散量の等級表示ではありませんが、信頼できる検査機関での検査結果は、これ以上に信用できるものであると考えられます。

▪赤ちゃんにもやさしいジョイントマット▪

赤ちゃんの肌や呼吸器はとてもデリケートです。そのため、有害な化学物質を漏出したり、揮発したりする製品を使うことは避ける必要があります。

その点、「やさしいジョイントマット」に代表されるジョイントマットには、シックハウス症候群を引き起こすホルムアルデヒドのような有害物質は含まれていないため、安心して赤ちゃんのいる家庭でも使うことができます。

更には、冬の床の冷たさから守り、よちよち歩きで転倒した際の衝撃を緩和し、寝るのに心地よい軟らかさをジョイントマットは有していて、まさにおすすめです。

▪まとめ▪

以上より、ジョイントマットはEVAやPEという非揮発性である高分子からできています。更に、接着剤も使われていないため、シックハウス症候群の危険性はほとんどありません。

但し、多くのカラーを呈する塗料にはホルムアルデヒドを含むものが使われている可能性がなくもないので、ジョイントマットを選ぶに当たっては、検査機関で安全を保障した製品を買いたいものです。