冬の脱衣所での底冷えは耐えがたいものがあります、というお悩みを持った方がいらっしゃるようですので、その悩みを解消したいと思います。
脱衣所は、お風呂に入るために服を脱いで裸になる狭小空間です。家の中で一番暖かい部屋はリビングルームであると言えますが、脱衣所は、概して北側に位置していて冬の寒さは大変厳しいものです。
そのため、脱衣所の寒さ対策が施されるに越したことはありません。
暖かいところから寒いところに、逆に、寒いところから暖かいところに急に移動すると、急激な環境の変化によって身体にはととても負担が掛かります。そして、場合によっては、変調を来します。
その最たるものが、ヒートショックと呼ばれる有害事象です。
ヒートショックとは、寒暖差の激しい場所の間を移動する際に、温度変化に伴って血圧が急に変化することによって起こる身体的な変調です。
実際、寒い脱衣所で服を抜いた際、寒さで血管が収縮して血圧が上昇しますが、風呂場に行くとやがて体が温まり、血管が拡張して血圧が低下します。そして、湯船で暖まって血管が開いている状態で寒い脱衣所に出ると血管が狭まり、血圧が急激に上昇することになります。
まさに、寒暖に伴う血管収縮で血圧が乱高下します。これによって、脳梗塞、心筋梗塞、不整脈などが起こる可能性があります。とりわけ、高齢者はその危険性が高くなっています。
特に、暖かい浴室から寒い脱衣所に出たときは、ヒートショックの起こるリスクが高くなります。
従って、可及的速やかに、冬の脱衣所の寒さの対策をしなければいけません。
昨今、フローリングの上に敷くものとしてコルクマットが好まれています。これは、天然素材であるコルクが、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)という柔軟性に富むプラスチック樹脂の土台の上に貼ったものです。
従って、コルクマットは、断熱性、遮音性、撥水性、撥油性などの性質を示します。そして、絨毯やカーペットと違ってダニが発生せず、また、カビも発生しません。
そのため、多機能であるコルクマットは、敷物として選ばれているのです。
コルクマットの特性の1つに断熱性があります。そのため、冬場の脱衣所や洗面所のフローリングにコルクマットを敷くことで、床の冷たさが伝わってこなくなり、足の裏が直に冷えることはありません。これにより、ヒートショックを回避する一助になると考えられます。
更に、撥水性があるため、お風呂から上がった際にコルクマットの上に乗っても、さらさらしてべとつくことはありません。そのため、とても快適なのです。
そして、カットが容易に行えることから、狭い脱衣所や洗面所の形状に合わせてコルクマットを自由に合わせることができます。
但し、コルクマットは、撥水性を示すため、湿気を通しません。そのため、コルクマットの連結部の隙間を伝った水が裏側に回ってしまった場合、毛細管現象で広範囲の水が行き渡ります。これを放置しておくと、床面とコルクマット裏面の間にカビが発生するリスクがあります。
脱衣所という場所であるための問題であると言えます。特に、狭小空間であるため、夏場は湿気が籠もってしまい 、カビが発生し易い環境となっています。
それ故、水が掛かった際は直ぐの拭き取るとともに、コルクマットを外して、裏側に水が回っていないか確認する必要があります。更に、時々は、コルクマットを外して、床に風を当てて湿気を飛ばすことも必要になります。
コルクマットは単に床に敷くだけで寒さ対策ができます。しかし、熱源がないため、それ自体が暖まることはありません。
そこで、脱衣所専用の暖房器具を設置するというのも、有効な手段です。脱衣所専用と記しましたが、家の中でトイレの次ぎに狭い空間であると思われる脱衣所に適したサイズを持っているのです。
一般的に、脱衣所で使われる暖房器具として、ヒーターがよく使われているようです。
コルクマットとヒーターを併用すると効果的と考えられます。
脱衣所にコルクマットや暖房器具を使うこともとても有効な手段です。そして、浴室も暖めておき、脱衣所と浴室の温度差をなくすことも大事です。
更に、高齢者が冬に入浴する場合、家族が在宅しているときにすることも重要です。
以上より、冬の脱衣所はとても寒く、入浴に際してヒートショックと呼ばれる急激な寒暖差に起因する血圧の乱高下に基づく発作や疾患が起こる危険性が高くなっています。
そのため、脱衣所に、断熱性のあるコルクマットを敷くなどの措置が予防として重要となります。そして、コルクマットと暖房器具との併用は、相乗的な効果があると考えられます。
それでは、冬の寒さが耐えがたい脱衣所に、断熱性を備えたコルクマットを敷いて、快適なお風呂をお楽しみください。
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