リフェクスミラーは、フィルムミラーとして人気となっていますが、どういうようにして開発されたのですか、という疑問を持っている方がいらっしゃるようですので、それに答えたいと思います。
現在、最も普及している鏡は、ガラス板を使ったものです。そのため、鏡面に物が当たったり、鏡自体が落下・転倒したりした際には、ガラスが割れて破片が飛び散ることがあります。そして、手足に思わぬ切り傷を負ってしまうことにもなりかねません。
つまり、ガラス製の鏡は安全性に問題があります。そこで、開発された鏡が、割れない鏡と呼ばれるものです。ガラスの代わりにフィルムが使われているため、割れることがないのです。その代表的なものが、J.フロント建装が製作しているリフェクスミラーというものです。
ここでは、リフェクスミラーがどうようにして開発されたかを見てみたいと思います。
リフェクスミラーの最大の特徴であるのがフィルムで、ポリエステルフィルムというものでできています。フィルムの厚さは、0.025 mmとなっています。
この素材は、1950年代に工業化され、1960年代後半に鏡面にする技術が開発されました。
やがて、イギリスの航空宇宙機器メーカーであるブリティッシュ・エアロスペース社(BAe)がこのフィルムを使った宇宙開発技術でフィルムミラーを開発して、1973年にJ.フロント建装が独占的な製造販売権を獲得しました。それ以来、リフェクスミラーとして改良して販売されています。
その開発コンセプトは、やはり安全性で優れた「割れない鏡」というものでした。それに伴って、二次的に軽さとクリアさが備わったのです。
リフェクスミラーが販売された当初は、材料のフィルムが海外から輸入していました。しかし、1970年代のオイルショックで海外からのフィルムの供給が不安定になりました。そのため、国内でのフィルムの生産体制を整えて、この危機を乗り越えました。
こうして、リフェクスミラーは安定供給されるようになり、現在でも安定的に販売されているのです。
姿見としての用途だけでなく、建築材料としても利用されます。これは、リフェクスミラーがガラス鏡と違って割れることがないという安全面が可能にしたことです。
実際、天井に鏡を貼って奥行きを持たせて広く見せたい、というニーズがありました。しかし、ガラスの鏡を貼るわけにはいかなかったのです。そこで、割れない鏡であるリフェクスミラーが着目されたのです。これが、内装材として採用されるきっかけとなりました。
建材として使うためには、不燃材料である必要があります。そのため、リフェクスミラーは国土交通省の不燃認定(NM-1843)を受けているのです。
従って、リフェクスミラーは、割れない鏡でだけではなく、燃えない鏡でもあるのです。更に、軽量素材を用いているので、軽くなっていて落下事故に伴う怪我も限定的です。つまり、リフェクスミラーは安全面で総合的に満足のいく鏡なのです。
国内市場に徐々に浸透してきてきたリフェクスミラーですが、更なるブレークとなる機会が訪れました。それが2005年の愛知万博でした。販売が開始されてから38年が経っていました。
名古屋パビリオンである「大地の塔」の内壁に、幅90cmで高さ273cmのリフェクスミラーを500枚も貼り付けた万華鏡を製作したのです。世界最大の万華鏡としてギネスブックにも登録されました。
このパビリオンは、歌手の藤井フミヤがプロデュースした高さ47 mの建物でしたが、その話題性に加えて、巨大万華鏡もとても好評を博しました。
この愛知万博で評判になったことを契機にして、リフェクスミラーは多くの場所で活躍していくことになります。建材、舞台装置、映像システム、家庭での姿見、スポーツミラーなど、実に多岐に渡っています。
割れない鏡の代名詞という現在の地位
現在、売られている割れない鏡と言えば、リフェクスミラーの名が挙げられます。それには、様々な困難を克服したり、チャンスをつかんだりしたことの結果であると言うことができます。実際、フィルムミラーとして、これだけの性能を備えたものはありません。
以上より、現在とても人気となっているリフェクスミラーですが、まずフィルムが開発されて工業化されたことが端緒となります。このフィルムを応用してフィルムミラーをJ.フロント建装が国内向け仕様に仕立てて、リフェクスミラーを開発しました。
そして、オイルショックという最大の難関を乗り越え、更に愛知万博での巨大万華鏡という企画を成功させて、現在、多くの用途でリフェクスミラーは信頼を持って使われているのです。
それでは、リフェクスミラーがどうように開発されて、そして、販売されてきたのかが分かったところで、実際に、導入して実用されてはいかがでしょうか。
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