割れない鏡と呼ばれるものは燃えますか? その実態に関して

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■割れない鏡と呼ばれるものは燃えますか? その実態に関して■

▪疑問確認▪

割れない鏡と呼ばれるフィルムミラーが安全面で持て囃されているようだけど、燃えたりしませんか、という疑問を持っている方がいらっしゃるようですので、それに答えたいと思います。どうやら、フィルムは火事で燃えてしまいそうです。

 

▪普及しているタイプの鏡▪

現在、国内で最も普及しているタイプの鏡は板ガラスで鏡面ができているものです。そして、板ガラスには、銀膜部、銅膜部、保護塗料が順次塗られています。

そのため、鏡面に物が当たったり、鏡が落下・転倒したりした場合、鏡面のガラスが割れて、その破片が飛び散ってしまいます。それに伴い、手足を深く切ってしまうという怪我にも至ります。

従って、安全のためには、ガラスの割れ対策をする必要があります。

とはいうものの、地震の大きな揺れにはガラス製の鏡は弱点がありますが、火事に対しては、素材がガラスであることから融けることはあっても燃えることがありません。

 

▪災害は地震だけではなく火災も起こる▪

日本は地震大国ですが、災害は地震以外にも存在します。その代表的なものが火事や火災です。

消防庁が平成28 年8月19 日に発表した平成27年(1月~12月)における火災の状況によれば、総出火件数は39,111 件でした。

万の位に達しているので、1日に100件は火災が起こっていることになります。

それ故、火災の起こらない対策を施すのはもちろんのこと、万が一、火事が起こってしまった際の対応にも留意しなければいけません。

 

▪割れない鏡というもの▪

ガラスを鏡面に用いた鏡は割れてしまうリスクが潜在しています。そのため、割れない素材を用いれば、もはや割れることはありません。

その理由は、鏡面に、裏側に銀蒸着されたフィルムが用いられているのです。それ故に、割れて破片が飛び散ることはありません。

従って、ガラス製の鏡を割れない鏡に更新することで、割れに伴う事故に対する対策は達成されます。

しかし、事故は、鏡の落下や転倒を引き起こす地震によるものだけではなく、有毒ガスを発生させる火災などによるものもあります。

そこで、割れない鏡は火災に対してどういう挙動を示すか、気になるものです。

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▪不燃タイプが存在するリフェックスミラー▪

割れない鏡と呼ばれる鏡の中で特に人気となっているのが、リフェックスミラーというものです。この製品は、フィルムと背面のボードの間には中空が設けられていて、衝撃のインパクトを受け止めて吸収できるようになっています。

そして、軽量タイプと不燃タイプの2種類が造られています。

 

軽量タイプは、硬質ウレタンボードが背面に用いられています。ウレタンはプラスチックの一種であるため、そして、ミラーフレームにアルミニウムが用いられているため、鏡全体が文字通り軽くなっています。

これは、落下に対して有利に働きます。

 

そして、ここで特筆すべきである不燃タイプは、けい酸カルシウム板とアルミ角パイプが背面に用いられています。けい酸カルシウムは無機物質であるため、燃えません。また、アルミニウムも角材であれば燃えません。

 

しかし、鏡面に用いられているフィルムは両者では共通しています。このフィルムはポリエステルでできています。

 

▪ポリエステルという高分子▪

通常の住宅の火災では、最高温度は1,500ºCくらいまで達します。だいだい、火災発生から5分から10分で500ºCになります。

そして、リフェックスミラーの鏡面に使われているフィルムの融点は、265ºCになります。従って、ポリエステルは火事では燃えてしまうと考えられます。

しかしながら、ちょっとした火には直ぐには燃えないと思われます。

 

それから、ついでに軽量タイプの背面に用いられている硬質ウレタンは、引火点は約310ºC、発火点は約415ºCとなっています。従って、火事では最終的には燃えてしますことになると思われます。

 

▪不燃タイプのリフェックスミラーの実像▪

不燃タイプでは、背面に用いられているけい酸カルシウム板とアルミ角パイプは火事では燃えません。しかし、鏡面に用いられているフィルムは火事で燃えてしまうことになってしまいます。

しかし、一般家屋において導入されるリフェックスミラーは1枚であることがほとんどであると想定されます。そのため、1枚に用いられている薄く貼られてたフィルムの総量は、とても限定的になっています。従って、フィルムが燃えて発生する有毒ガスもそれほど多くないのではないでしょうか。

 

▪火事になってしまったら▪

火事になってしまった場合、119番に通報したり、火事であることを叫んだり、初期消火をしたりします。消火器などを用いて初期消火で消せるのは火災発生より1分から2分までです。この時間が過ぎたらもう自分では消せないので、速やかに脱出するようにしてください。

 

▪まとめ▪

以上より、割れない鏡と言われるリフェックスミラーのようなフィルムミラーは、鏡の枠や背面は火事でも燃えません。しかし、鏡面に用いられているフィルムは燃えてしまします。

とはいうものの、概して一般家屋では1軒に1枚のフィルムミラーであるので、そのフィルムが燃えたとしても被害は限定的と考えられます。それよりも、火事ではそれ以外のものが燃えることによる被害の方が甚大であると言えます。

それでは、火事には燃えない鏡を設置しても家自体が燃えてしまいますが、地震でも割れないのでその点は安心してお使いください。


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