日本でもすっかり定着した年中行事であるクリスマスですが、様々な楽しみ方があります。それは、クリスマススの長い歴史の中で、宗教的なものに加えて、非宗教的なものが入ってきたことが大きいと思われます。サンタクロースとプレゼントがその顕著な例と考えられます。
クリスマスによく行う習慣的なものとして、クリスマスプレゼント、クリスマスカード、クリスマスケーキ、クリスマスツリー、クリスマスリースという品物に関するものの他、クリスマスソング、クリスマスパーティー、クリスマスコスプレという行動に関するものがあります。
クリスマスカードとは、その名の通り、クリスマスの挨拶を記したカードのことです。そして、同時に新年の挨拶も併記することも多いようです。ここでは、誰かからもらうと嬉しくなるクリスマスカードに焦点を当てて、起源・歴史などについて検証してみることにします。
15世紀には、彫刻家の彫った木版で印刷された宗教絵画のようなものに、クリスマスの挨拶が添えられたものがあったようです。
現在、商業的なクリスマスカードの始まりとされているのが、1843年に、イギリスの公文書館(Public Record Office)で働くヘンリー・コール卿(Sir Henry Cole)が、友人のジョン・カルコット・ホースリー(John Callcott Horsley)という画家に描かせたものです。そのカードには、3世代に渡る人達が乾杯している様子が描かれ、「A MERRY CHRISTMASS AND A HAPPY NEW YEAR TO YOU」と書かれています。2回に分けて2,050枚のカードが印刷され、1枚1シリングで販売されました。1回目の1,000枚は完売したようです。
イギリスの郵便制度は世界に先駆けて整備されました。1515年にヘンリー8世のときに王室専用として開始され、1635年には一般にも解放されました。そして、1840年に、料金全国均一の重量制による郵便料金の前納のシステムが導入されました。
1837年から1840年まで、ヘンリー・コール卿はイギリスの郵便制度の改革に関与していました。1840年に世界初となる切手であるブラックペニーのデザインで功績のあるローランド・ヒル(Rowland Hill)をヘンリー・コール卿は手助けしています。
ヘンリー・コール卿が郵便事業に関わったお陰で、クリスマスカードが考案されて普及したのかもしれません。
1860年頃からクリスマスカードは一般的に普及するようになります。そして、1870年にはイギリスの郵便料金が0.5ペニーにまで引き下げられ、庶民でも負担なくクリスマスカードが投函できるようになったのです。
また、アメリカでは、1874年にクリスマスカードがドイツ系の画家であるルイス・プラング(Louis Prang)によって初めて販売されました。そして、1880年代まで、500万枚以上、毎年、印刷しました。
1910年にジョンC.ホールらによって設立されたHallmark Cardsが、1915年からグリーティングカードの販売を開始し、現在でもクリスマスカードの老舗として健在です。
サンタクロースやクリスマスツリーと同様に、アメリカを経由して世界各国にクリスマスカードの風習も伝播していったと考えられます。
1920年代から1930年代にかけて、手製のクリスマスカードが人気となり、作られました。銀箔やリボンで飾られたようなものまで登場しました。
日本では、年賀状に比べると、クリスマスカードを送る習慣はそれほど定着していないようです。恋人や家族、そして、親しい友人にクリスマスカードを贈るのも喜ばれることと思います。単にカードだけというのが、気が引けるのであれば、プレゼントに添えるという方法もあります。それから、喪中で年賀を控えている人にも、クリスマスカードであれば問題はありません。
欧米ではもらったクリスマスカードを暖炉の上に飾っておくそうです。
フィンランドのラップランド地方のロバニエミ市にはサンタクロース村というサンタクロースが毎日通ってくる場所があります。ここのサンタクロースグリーティングセンターから、国際郵便で世界の子ども達に向けてサンタクロースの手紙が送られています。
子どものいる家庭は、申し込みをしてみてはいかがでしょうか。
以上より、クリスマスカードは、クリスマスと新年の挨拶を書いて、親しい人にあげるものです。一般的に広まるようになったのは、1843年に、イギリスのヘンリー・コール卿が郵便事業の普及を図るために、友人の画家に描かせたクリスマスカードを約2,000枚印刷して販売したことが始まりです。そして、郵便料金の引き下げとともに、クリスマスカードは普及していきました。
やがて、アメリカでもクリスマスカードが大量に販売されるようになり、アメリカ文化の全世界への伝播によって世界各国に広まっていったと考えられます。日本のクリスマスカードは現在、普及の途上にあると思われます。
それでは、今まで習慣のなかった人は、クリスマスカードを誰かにあげるのもよいのではないでしょうか。
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