日本は夏が高温多湿という気候です。それに、梅雨という雨季があります。また、最近の住宅は気密性が優れていて、熱や湿気が部屋の中に籠もり傾向にあり、冬には結露が生じることがあります。
つまり、湿気と暖かさを好むカビが生え易い環境が、日本の家屋には整っていると考えられます。
このような環境では、ベッドにカビが生えてしまう可能性があります。カビの弊害としては、黒い見た目が不気味であるだけでなく、カビの胞子がアレルゲン(抗原)となってアレルギー反応が惹起されるという健康面に対するものが挙げられます。
従って、ベッドにカビの生えない対策が求められます。その手段の1つとして、すのこベッドがあります。
そのため、すのこベッドの選び方に関して、ここでは検証して、失敗のない選び方が実践できるようになりたいと思います。
睡眠中にヒトがかく汗の量は、コップ1杯分と言われています。汗をかくことで体温を下げ、血流によって脳がクールダウンされ、深い眠りのノンレム睡眠へと導かれてゆきます。
そして、今度は体温が上昇して浅い眠りのレム睡眠となり、また、汗をかきながらノンレム睡眠となります。これが繰り返されています。
このように、睡眠において、発汗は体温を調節するために重要な役割を果たしています。そのため、睡眠時の発汗は必要不可欠なものとなります。
これを踏まえた上で、汗によって寝具が湿気を帯びてカビが発生することがないような対策を講じなければいけません。これが、先ほども述べました「すのこベッド」になるのです。
ベッドの床板に用いられているすのこは、構造的には風呂場や流しで使われているすのこと構造と機能は同じであると言えます。
つまり、間隔を設けて長い板を並べた構造であるため、隙間が空気、湿気、熱の通り道となっています。
あまり間隔が狭いと通気性がよくないと思われます。従って、通り道として充分な間隔のあいていることが求められます。
通常のベッドの床板には、板状となっているべた床のものが少なくなくありません。これに比べて、すのこ床はべた床に比べて、隙間があいている分、荷重に対する耐性が物理的に劣ってしまいます。
しかしながら、この点を考慮して、すのこの床板の上にマットレスと掛け布団、そして、ヒトが載ってもすのこが割れることのないような設計となっています。
仕様書で耐荷重に関して確認することが必要です。
日本の住宅事情として狭小という問題があります。そのため、各部屋の面積は狭くなっています。それ故、すのこベッドを寝室に置くに当たっては、サイズや寸法が重要となります。
というのも、折角購入したすのこベッドが、寸法的に部屋に置くことができなかったとしたら、始末に困ってしまいます。
ですので、予め、計画を立てて、置く場所のスペースの採寸をしてから、すのこベッドの寸法と照らし合わせて購入することが肝要です。
単純に、シングル、ダブル、セミダブル、クイーンという区分で判断すると、困った事態になるかもしれません。そのようなことにならないためにも、すのこベッドの寸法を知る必要があります。
すのこベッドは、床板の機能性を重要視したものですが、それ以外にも購入に当たって特筆すべき要素があります。
それは、デザインやカラーです。ヘッドボード、フレーム、脚などは家具としてのデザインや意匠が施されています。また、カラーも多くあります。
これらの要素は、部屋のイメージや使用する人の好みに応じて選ぶことをおすすめします。必ずや、マッチしたすのこベッドが見付かると思われます。
すのこであるからと安心していると、カビが生えてしまうことがあります。確かに、隙間が空いていますが、そこを通じて完全に湿気や熱が放散されるとは厳密には言えません。
そのため、こまめにマットレスや布団をあげて、寝具に風を当てることが重要となります。これにより、湿気や熱が蒸散してゆきます。その際、掃除機でほこりなどを吸い取ると更に衛生的な環境が保全できます。
このようなメンテナンスが容易に行うことができるすのこベッドが、長く使う場合には大切と思われます。
海外のベッドショップのサイトを見てみると、すのこベッドが売られていることが分かります。すなわち、すのこベッドは日本だけではなく、世界的に使われているものなのです。
また、マットレスにカビが生えることを防ぐことは、海外でも懸念事項であるようです。
そのため、すのこマットは、湿気の多い気候でなくともヒトが汗をかくということには変わりがないため、世界的に普及していると考えられます。
以上より、すのこベッドの選び方の決め手は幾つかあります。湿気を逃すすのこの隙間が狭すぎないか、耐荷重はどれほどか、メンテナンスは容易か、寸法的に部屋に置けるか、デザインやカラーは好みにあるか、などが確認事項になります。
とても多くの仕様のすのこベッドが造られているため、これに適うすのこベッドが見つけ出すことができるでしょう。
それでは、納得のゆくすのこベッドを選び、快適な睡眠を実現してください。