床板に隙間のあいている「すのこベッド」の強度は?

■床板に隙間のあいている「すのこベッド」の強度は?

■疑問確認■

ベッドの床板がすのこ状だと重さに対する強度の面で問題はないのか、という疑問を持つ方がいらっしゃるようですので、それに答えたいと思います。意外と強度はあります。

 

■床板が特徴的な「すのこベッド」■

マットレスや布団に隠れて分からないことが多いかもしれませんが、実は床板のすのことなっているベッドが普及しているのです

長い板を並べてありますが、隙間を設けています。従って、ベッドの床板が一枚板の状態のものに比較して、すのこの状態では、マットレスやヒトがその上に載った際に、割れたり、折れたりするのではないと心配になります。

しかしながら、製品設計で当然ながら重さに耐え得るような仕様となっていると考えられます。もし、そうでなければ、すのこベッドは市場から駆逐されてしまうことになるでしょう。実際には、市場から姿を消すどころか、益々、売り上げを伸ばしている観があります。

 

■湿気対策に適したすのこ状の床板■

すのことは、風呂場、流し、押し入れなどで使われるものですが、湿気を意識した製品であると言えます。

床板に一定の間隔で隙間が空いているため、ベッドの通気性がよいという特性があります。そして、何故、ベッドの床板にすのこが使われているかと言えば、やはり、湿気対策のためになります。

というのも、ヒトが寝ている間にコップ1杯ほどの汗をかくと同時に、基礎代謝で熱を発しています。そのため、ベッドが高温多湿となるのです。

これを解消するのが、すのこの床板です。その隙間から水分と熱が逃げていきます。その結果、カビやダニの発生が抑えられ、アレルギーに悩むことがなくなります。そして、衛生的な状態を保つことができます。

従って、すのこベッドは、とても優れた寝具であると言えます。

 

■S1102というJIS規格■

国が定める工業規格として、日本工業規格(JIS)が定められており、厳格な規格と試験が課されています。そのため、これをクリアした製品には、JISマークが付けられ、消費者に向けて安全と品質が保証されているのです。

すのこベッドは床板がすのこになっているだけで、分類としては家庭用普通ベッドに属すると考えられます。従って、家庭用普通ベッドを律するS1102というJIS規格で、すのこベッドも規定されることになります。

S1102では、ベッドに関して各種試験が課されていますが、床板の強度試験という項目もきちんとあります。

 

床板を持つベッドについて、床板単体で強度試験を行い、床板の両端20 mmを支持した状態で、300 mm×500 mmの加圧板を500 mm辺をベッド長さ方向に床板中央部に当てて2,000 Nまで加圧し、1分間、荷重が均一に掛かるように配慮して、加圧したまま保持します。そして、加圧を除去した後に、材料の割れ、亀裂などの有無を調べます。

 

1 kg重 = 9.8 Nから換算して、2,000 N = 204.0 kg重に耐え得るということは、マットレスや布団の重さも加味して、大人2人が載っても割れや亀裂が床板に生じないことになります。

従って、JISマークの付けられているすのこベッドは、床板の強度が優れていることが立証されています。そのため、安心と品質を保障するJISマークのあるすのこベッドを選んで購入したいものです。

 

■JISマークのあるすのこベッドは少数■

しかしながら、JISマークの付けられているすのこベッドはあまりないというのが現実です。何か基準にして、すのこベッドの床板の強度を判定すればよいか分からなくなります。

それ故、メーカーが提示している耐荷重性をその指標として、強度の善し悪しを査定することになります

すのこベッドの中には、床板の強度を誇示している製品もあります。例えば、600 kgの耐荷重のすのこベッドが造られています

 

念のため、フレームに1年保障の付いている製品をお選びすることをおすすめします。

 

■ロータイプのすのこベッドの床板の破損■

木製の板や棒が万が一破損したとしても、高さがなければ、二段ベッドのように落下による大怪我が起こることはほとんどありません。その点、すのこベッドは安全であると考えられます。

仮に、すのこが破損したとしても、当然ながら、フレームの保証期間であれば、新しいものと交換してもらえます。

また、DIYで修理できる事例も多いのではないでしょうか。つまり、破損した箇所を、ホームセンターで同等の木材と交換すればよいことになります。

資金に余力があれば、有償で修理に出すという方法もあります。

とはいうものの、余程のことがない限り、すのこの破損はないと思われます。

 

■まとめ■

以上より、一枚板と違って、間に隙間の空いているすのこ状のベッドの床板は、強度の点で不安があります。しかし、家庭用普通ベッドを律するS1102というJIS規格では、床板の耐荷重は約200 kgとなっていますので、JISマークの付いているすのこベッドであれば、安心して使用することができます。

ところが、現在売られているすのこベッドの多くは、JISマークが付けられていません。そのため、メーカーが耐荷重性のあることを謳った製品、ないしは、信頼できるショップで売られている製品を購入することが賢明です。

余程のことでなければ、すのこが荷重で破損することはないと思われますが、フレームに保証期間のあるものが更に安心です。

それでは、すのこベッドの床板を信頼して、安らかな眠りを享受してください。


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