床から舞い飛ぶホコリは、すのこベッドではどうなるの?
■床から舞い飛ぶホコリは、すのこベッドではどうなるの?■
■疑問確認■
布団では顔が床から近いのでホコリを被ることがあるけど、すのこベッドではどうなの、という疑問を持つ方がいらっしゃるようですので、それに答えたいと思います。脚付きのすのこベッドというものがあります。
■西洋化するライフスタイル■
最近の日本の住宅の特徴として、日本人のライフスタイルの変容と呼応して西洋化が浸透してきています。かつては、畳のある和室はどこの家にもありましたが、今ではそのようなことはなくなり、むしろ珍しいこととなりました。
そして、畳の代わりに普及したものがフローリングです。つまり、ソファ、椅子、テーブル、キッチン、ベッドなどの西洋的な家具を使う暮らしが一般化したのです。
それに伴い、掃除の仕方も変わりました。以前は、お茶の出がらしを畳の上に撒いて、ホコリを絡めて箒で掃いたということを知る若者はあまりいないと思われます。
フローリング、そして、その上に敷くカーペットや絨毯、ないしは、ジョイントマットやコルクマットの掃除は、基本的に掃除機を使っています。
何も敷いていないのであれば、フローリングワイパーという掃除器具もあります。
■ハウスダストの弊害■
家の中にある一連のホコリをハウスダストとも呼んでいます。これが問題となっているのは、アレルゲン(抗原)となってアレルギー反応を惹起するからです。
そのため、家の中は、常にホコリのない状態を保っておきたいものです。
しかしながら、仕事などで掃除ができるのは休みの日だけという人も少なくはありません。そのため、一時的なホコリとの共存という選択肢を選ぶということもあります。
▪ホコリが舞い上がる高さ
ヒトが歩いたり、ペットが走ったりすることで、床にあったホコリは舞い上がります。そして、ホコリが舞い上がる高さとして、床からおよそ30 cmまでが最も密度が高くなっています。
室内に存在するホコリを構成しているものは、綿ボコリという言葉があるように、繊維質の小さなものがほとんどで、大きさは10-100マイクロメートル(μM)です。更に、カビの胞子、ダニの死骸なども含まれます。また、これよりも小さいホコリもあります。室内浮遊塵などが含まれます。
大きさは小さいですが、重さを持っているため、重力により舞い上がったホコリは落下してきます。そして、床の近くでは、落下と上昇が絶えず繰り返されているため、ホコリの密度は天井付近に比べて当然ながら高くなっています。
これを裏付ける学術的な論文を引用すると、「慢性副鼻腔炎と塵埃」(貝塚悦、『耳鼻咽喉科臨床』、1963年、56巻、5号、272-287項)によれば、「微細塵に比して、線維性塵埃は比較的大きく、重量もあるので, その落下速度も大きいので、その数は低い所ほど大である。著者は種々の家庭、および寄宿舎において, 空中よりの落下塵埃の数を色々の高さにおいて、測定を行なつたが、その結果はFig.15の如く、夜間8時間に畳の上に落下する塵埃量は、普通のベット(原文ママ)の高さ60cmに比して、ほぼ倍に近くなつている。最近の育児書を見れば、乳幼児はベット(原文ママ)を使用する事が大切であるとの記載があるが、この事によつても充分うなつかれる(原文ママ)。」
従って、舞い上がるホコリを防ぐためにも、こまめに掃除してホコリを取り除くことが重要となります。
それと同時になるべくホコリを吸い込まないための措置も大切となります。というのも、布団を敷いた場合、ちょうど、体のある高さがホコリの密集高度に当たるからです。そのため、上記の論文で指摘されているように、ベッドはとても有効になります。
■すのこベッドというもの■
日本の気候や住宅環境において湿気は、カビやダニの発生と関係しているため、問題となります。特に、ベッドはヒトがかく汗や発する熱で高温多湿の環境が局所的に作られています。
そのため、ベッドにおける湿気対策は、衛生面でとても重要となります。これを解決するために開発されたものが、すのこベッドと呼ばれるものです。
床板がすのこ状になっていて隙間があいているため、マットレスや布団の湿気や熱がそこから放散されるのです。そのため、カビやダニの発生を妨げることができ、ハウスダストに属するカビの胞子、ダニの死骸・糞・脱皮殻などが室内に放出されません。
これだけでも、アレルゲンとなるハウスダストの発生を抑制しているため、すのこベッドは素晴らしいのですが、脚のあるフレームにマットレスを敷いて寝ることで、ホコリの密集高度を突き抜けて、ホコリの密度が低くなります。
■床置きのすのこベッド■
すのこベッドの中には、フレームがなくて直に床に置いて使用するタイプのものがあります。この場合、布団とほぼ同じ高さで寝ることになりますので、舞い上がるホコリの影響を受けることになると考えられます。
そのため、このタイプのすのこベッドを使う際には、ホコリをこまめに取り除くことが肝要です。
■脚付きのすのこベッド■
フレームのあるすのこベッドには、脚のあるものとないものがあります。ホコリは床からの位置が高くなるほど、密度が低くなるので、脚があるタイプの方がホコリの影響を受けにくくなります。
また、脚のある方がベッドの下に空間ができるので、すのこからの湿気と熱の放出も効果的に行われます。
従って、健康のためには、脚付きのすのこベッドがおすすめとなります。
■まとめ■
以上より、天井から床に近付くにつれてホコリの密度が高くなり、床付近ではホコリが滞留しています。そのため、人生の3分の1を占める睡眠のためにも、体の位置が舞い上がるホコリの影響を受けにくいレベルで寝ることが重要となります。
これを実現するのがベッドですが、脚付きであれば更に効果的です。
そして、床板がすのことなっているすのこベッドは、寝具の湿気と熱を逃がして、ハウスダストを作り出すカビやダニの発生を抑えるので、相乗的に効果を発揮します。
これにより、ホコリをアレルゲンとするアレルギー反応を引き起こされることが抑えられます。
それでは、寝る際の体の高さがホコリの舞い上がる高さ以上の位置となるような「すのこベッド」を利用して、快適な眠りを享受してください。
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