ヒトが一晩寝ている間にかく汗は200 mLと言われています。寝ている間は体温の設定値が低下しているため、体温を下げるために汗をかいたり、手足の皮膚の血管が拡張したりします。そして、不随意神経である自律神経系によって、意思とは関係なく発汗は起こります。そのため、寝ていても汗をかくのです。
このように発汗によって放出された水分は寝具に吸収されて湿気が籠もります。更に、体温によって寝具は温められます。その結果、高温多湿というカビやダニが好む環境が生じることになります。また、脂質はカビの栄養と成り、他方、ヒトのフケ、垢、髪の毛はダニの餌となります。従って、使用された寝具は、カビとダニの文字通り温床になるわけです。
カビとダニの最大の弊害は、アレルギー反応を引き起こすことです。カビの胞子、および、ダニの死骸と糞と脱皮殻は、抗原(アレルゲン)となり、アレルギー反応を惹起します。また、ぜんそくの原因ともなります。
従って、カビとダニが好む高温多湿という環境が生じないような措置が必要となります。そのため、まず、二段ベッドでは標準で床板がすのこになっていて、通気性が高めて湿気が逃げていくようにしています。しかしながら、これに甘んじることなく、こまめに布団、または、マットレスを上げることを推奨します。
従って、最近人気となっているロータイプの二段ベッドは、上段の寝具を上げるのが容易になっているのがメリットの1つです。そのため、まだ購入されていない方は、選択肢に入れておくのもよいでしょう。
また、窓を開けて換気することも重要です。最近の住宅は気密性が高いため、冬場は外の空気の方が乾燥していますので、室内の湿気を外気により効率的に緩和することができます。
掃除の最大の目的は、抗原となるハウスダウトの除去です。つまり、カビの胞子、ダニの死骸と糞と脱皮殻に加えて、ホコリなどのアレルギー反応の原因物質の除去です。また、ダニの餌となるヒトのフケ、垢、髪の毛を除去することで間接的にダニの増殖を防ぎます。
方法としては、掃除機でマットレスなどの寝具をゆっくり動かして吸い取っていくことです。更に、寝具を上げてすのこや桟を吸い取ったり、二段ベッドを置いているフローリングやカーペットなどもきれいに吸い取ったりしてください。
この際、寝具を上げるのが容易なロータイプの二段ベッドは、掃除機を掛けるのも容易です。この点は、二段ベッドを日常的に使っていくのには、やはりとても魅力な一面であると考えられます。
耐重量の仕様となっていますが、子供がふざけて上に乗って跳びはねたりすると、木製のすのこが折れないとも限りません。この場合、二段ベッドの使用を続けるには補修が必要となりますが、耐久性の問題で折れたすのこはもう使えません。そのため、交換することになります。メーカーと製品の型番が分かっている場合、そのメーカーに在庫があれば、すのこの板を交換してくれる可能性があります。
既に二段ベッドが生産中止になっていて部品の保管在庫がなくなっているのであれば、同じ寸法の板で代用することができます。自分でホームセンターにおいて板を購入して加工できればよいのですが、それができないのであれば、木工所や工務店に依頼すれば対応してもらえると思います。
大型ごみとして、二段ベッドを自治体が廃棄してくれます。但し、引き取り料金が掛かります。そして、二段ベッドを解体する必要があります。この際、マットレスは回収してもらえませんので注意が必要です。
詳しくは、皆様がお住まいの自治体に確認してください。
また、粗大ごみ処分業者に頼めば、解体処分や回収をしてもらえます。この方法が自分で解体しなくて済みますので、一番手間が掛かりません。それに、リサイクルショップに相談するのもよいでしょう。
木製の二段ベッドであれば、自分で小さく切断して処分することも可能です。しかし、一苦労すると思われますので、あらかじめ覚悟の上で実行してください。
それから、誰かに譲渡するのもよいかもしれません。
二段ベッドは衛生的に使用することが望ましいです。さもないと、高温多湿に栄養豊富な条件下、カビやダニが繁殖してアレルギー反応やぜんそくなどの疾病に罹ってしまいます。そのためには、布団やマットレスのような寝具をまめに上げたり、窓開けによって換気したりして湿気を排除してください。その一方で、掃除機で抗原となるものをゆっくりと吸い取ってください。
大型家具であるため、壊れたときの廃棄が困難ですので、壊れにくい丈夫なものを選んだ方が賢明です。その強度に伴って、地震の揺れによる損壊リスクも低減されます。
それでは、二段ベッドを掃除やメンテナンスによって大切にお使いになって、健やかな安眠を享受してください。
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