タイタニック号にも採用された二段ベッド

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■タイタニック号にも採用された二段ベッド

▪18世紀から19世紀にかけての交通機関の発達▪

産業革命によって蒸気機関が発明されたことで工業が著しく発達した18世紀後半以降、物と人の動きが活発になり、蒸気などを原動力とする交通機関も発展し、一度に多くの物資や人を遠くまで運ぶようになりました。船舶の航路としては大西洋航路が、鉄道の路線としてはヨーロッパ大陸横断経路が盛んに行き交っていました。

これらの移動は、長距離であるために数日間を要し、夜間に寝るところが必要でした。そのため、狭い空間を効率的に活用するために二段ベッドが採用されたりしたのです。

 

▪タイタニック号とは▪

ヨーロッパとアメリカ大陸の間で物や人の移動が盛んだった20世紀初頭、イギリスの船舶会社であるホワイト・スター・ライン社が大西洋航路として運行を計画したのが、総重量46,328トンで全長269 mの当時世界最大の豪華客船であったタイタニック号でした。

1911年5月31日に、アイルランドのベルファーストにあったハーランド・アンド・ウルフ社の造船所で完成して進水式が行われました。

タイタニック号の船体は15の防水隔壁があり、絶対に沈まない不沈船と当時発行された「シップビルダー」誌に評されました。

姉妹船としてほぼ同時期にホワイト・スター・ライン社が製造した客船として、オリンピック号とブリタニック号があります。オリンピック号が最初に作られ、次ぎに、タイタニック号が造られました。

 

▪タイタニック号の3等客室には▪

1等船室には、高級ホテル並みの設備を有し、利用したのは上流の人達で、船賃は870ポンドでした。1912年4月10日に乗船したのは、名門貴族のコスモ・ダフ・ゴードン卿夫妻、ロゼス伯爵夫人、アメリカのデパート王のシュトラウス夫妻ら、超一流の人達でした。

2等船室には、利用したのは中流の人達で、仕事での移動の人達が含まれていました。船賃は13ポンドでした。

3等客室には、狭い空間に可能な限り多くの人を収容するために、二段ベッドが設えてありました。利用したのは貧しい移民や出稼ぎ労働者が多く、船賃は3-6ポンドでした。

 

▪沈没したタイタニック号の日本人生存者▪

1912年4月10日に、イギリスのサウサンプトンからアメリカのニューヨークへ向けて初航海のタイタニック号は出発しました。船長はエドワード・J・スミスでした。

乗客1,331人と乗員892人の総勢2,293人で、その中にただ1人いた日本人乗客は、鉄道院の官僚であった当時41歳の細野正文でした。実は、この人物は、音楽家の細野晴臣の祖父にあたります。

しかし、航海4日目の14日午後11時40分頃、海洋に漂う氷山を発見して、舵輪を左舷に取るも、衝突を回避することはできませんでした。正面衝突には至りませんでしたが、船底の衝撃は激しいものでした。そのため、やがて船体は2つに折れ、沈没していくのでした。

60人乗れる救命ボートが20艘しかなく、単純に計算しても1,200人しか脱出することができません。総勢2,293人にはとても足りないものでした。

後々、細野正文の手記が見付かり、脱出の過程が明らかにされました。全般的に子供と女性が優先されたようですが、ちょうど2人のスペースが第10号ボートにあり、隣にいたアルメリア人とともに飛び乗ったのでした。

この沈没事故で1,513人が犠牲となり、当時最大の海難事故となりました。

 

▪現在も海底に眠るタイタニック号▪

カナダ・ニューファンドランド島の南東沖約600キロの公海の海底に眠る沈没したタイタニック号が、海洋考古学者のロバート・バラードにより1985年9月1日に発見されました。木材と金属の腐食が大分進んでおり、長い年月が経過したことを物語っています。

はたして、二段ベッドはどうなっているのでしょうか。海事法によると公海に沈んでいる船の残骸はどの国にも所有権がないということですので、誰でも見に行って、遺物を持ち帰ることが可能です。実際に、確認に行かれるのも面白いかもしれません。とはいうものの、映画「タイタニック」の効果も薄らいでいるためか、2004年以降、観光客はほとんどいないようです。

 

▪まとめ▪

以上より、20世紀初頭のアメリカ・ヨーロッパ間の往来はとても盛んで、当時世界最大の豪華客船であったタイタニック号もこのような世相の中で建造されました。

客室には、1等客室、2等客室、3等客室の区分があり、最下等船室の3等客室には、貧しい移民や出稼ぎ労働者が使用し、狭い空間に出来るだけ多くの人が寝られるように、二段ベッドが設えてありました。このように、長距離を数日間かけて移動する交通手段には、省スペースのために二段ベッドが採用されていました。

残念ながら、タイタニック号は初めての航海で氷山と激突して沈没してしまいましたが、現在、その沈没場所が公海中の海底で特定されています。そのため、往時の姿を忍ぶべく、実際に海底に潜って見に行かれてもよいでしょう。その際は、話題となっている二段ベッドの姿を見るのをお忘れないようにお願いします。


タイタニック号にあった以上のおすすめの二段ベッドはこちらのショップで購入できます。

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