二段ベッドは地震でも平気なの?

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■二段ベッドは地震でも平気なの?

▪疑問確認▪

二段ベッドが、地震の起きた際に、それ自体が倒れたり、上段のベッドが外れて落下したりしないか、疑問に思っている方が本当に少なからずいらっしゃるようですので、それに答えたいと思います。

 

▪二段ベッドの構造▪

構造的に、2種類の二段ベッドがあります。1つは、上部を支えている4本脚が下部と一体になっている1本柱のタイプのもので、上下を分離することはできません。このタイプは、地震の揺れによって、上段が外れて落下するということはありません。

但し、脚が折れれば落下することになりますが、家の構造の一部となっている柱と違って、独立して揺れるので、天井の落下や床の抜けのような余程のことがない限り、折れることはまずないと思われます。

 

他方、もう1つは、上下のベッドの4本脚の部分で連結されていて分離可能なタイプです。大地震の揺れで、この連結部分が外れてしまう可能性がありますが、そのリスクを低減するための対応を講じています。通常、二段重ねのタンスは木製のダボで固定しますが、木製フレームの二段ベッドは鉄製のダボが上下の脚の穴に差し込まれて固定され、更に横穴からボルトで締めることでダボが外れないようになっています。

鉄製フレームの場合、鉄パイプ同士の溝と差し込みを合わせて連結されています。深く差し込まれているので、外れにくくなっています。

ですので、地震の揺れで連結部分が外れて上部のベッドが外れて落下することはほとんどありません。気になる方は、上下をI字金具やL字金具などで上下を固定するのがよいでしょう。

 

また、木製フレームの場合、木材はセルロースやリグニンなどの高分子が網目状に絡まり合っているので優れた曲げ強度を示し、地震の揺れに対してとても強いのです。その証拠に、木造建築の五重塔が地震によって倒壊した記録は有史以来ありません。このため、木製二段ベッドや木造住宅は、地震に比較的強いのです。実際、東日本大震災では家屋においては揺れによる倒壊よりも津波による被害の方が甚大でした。

 

最近はコンパクトタイプの二段ベッドが人気となっており、二段に重ねた際の高さが160 cm以下のものが多くなっています。つまり、重心が低くなっているのです。更に、概算で大きさが約2 mと約1 mの長方形の箱を4本脚で支えているので、非常に安定な状態となっています。そのため、地震の揺れで二段ベッド自体が倒れてくることはあまりないと考えられます。ただ、激しい揺れで踊るように移動する可能性はあります。

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▪二段ベッドの地震に関する文部科学省の作業部会記事録▪

地震防災研究を踏まえた退避行動等に関する作業部会(第2回) 議事録(平成21年7月15日(水)16時-18時)を見ると、地方自治体における地震時の防災・減災に向けた取り組みという議題において、国崎委員から「日本の住宅事情で、やはり子供がお2人以上いた場合には、2段ベッドにするご家庭は多いのですが、2段ベッドに対しての耐震強度の実験は殆ど行われていません。」という指摘がされています。

つまり、二段ベッドが地震の際にどういう挙動をとるのか、ということに関して、実験的な検証がされていないということです。現時点で、そのような検証がなされたか調べてみましたが、探し方が適切ではないのか、たどり着けませんでした。

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▪過去の大地震での検証▪

実験データが見付からないため、過去に発生した阪神淡路大震災のような大地震での二段ベッドの挙動を調べてみたところ、二段ベッド自体が倒れたということはないようでした。また、上段が外れて落下したということもないようでした。

むしろ、阪神・淡路大震災における消防職員手記(長田消防署)「大震災の救助現場で(1995年3月号掲載・井関 薫)」という記事にあるように、二段ベッドがシェルターのように機能して倒壊から身を守ってくれることがあるのです。

 

▪三角スポット▪

Triangle of Lifeと言われる三角スポットは、いろいろと物議を醸している理論ですが、地震の際にどうやって生き延びるかということをDoug Copp氏が説いたものです。大地震で倒壊した建物には、床、低い家具、倒れてきた壁から構成される三角柱を横にした空間が存在します。このような場所に身を隠せば、命を落とすことはないというのです。

1996年に、Copp氏は、モデルハウスにマネキン20体を置いて地震の実験をしています。その結果、三角スポットにあったマネキンには損傷はありませんでしたが、それ以外の場所では損傷があったことが実証されました。

この理論は、信頼の置ける機関で広く支持されている「drop, cover, and hold on」という、かがんで机の下に潜る込むこととは少し違っています。

 

▪災害に対する備え▪

自治体や政府など、行政は、災害に対して備えることを喚起しています。例えば、首相官邸は、「家具が転倒しないよう、家具は壁に固定しましょう」、「寝室や子ども部屋には、できるだけ家具を置かないようにしましょう。置く場合も、なるべく背の低い家具にするとともに、倒れた時に出入り口をふさいだりしないよう、家具の向きや配置を工夫しましょう」、「手の届くところに、懐中電灯やスリッパ、ホイッスルを備えておきましょう」と提言しています。

二段ベッドも地震の揺れで移動しないような措置が必要と考えられます。チェーンなどによって壁に固定するのが一番頑丈なのではないでしょうか。

 

▪まとめ▪

以上より、二段ベッドは大地震でも、それ自体が倒れたり、上部が外れて落下したりすることはほぼありません。しかし、揺れによって移動することはありますので、壁などに固定するのが賢明です。

また、地震による倒壊の際には、二段ベッドが三角スポットに似たような空間を形成するので、そこに身を潜めれば命を守ることのできる可能性があります。

 

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二段ベッドは地震でも平気なの?” に対して1件のコメントがあります。

  1. LIGA より:

    Thanks for the post. awesome!

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