分離式の二段ベッドの上部が外れて落下しないかが不安になります
■分離式二段ベッドの上部が外れて落下しないかが不安になります
▪お悩み確認▪
分離式の2段ベッドの上段と下段の接合部分が何かのはずみで外れて、上部が落下するかもしれないのではないか、という不安を抱えた方がいらっしゃるようですので、その悩みを解消したいと思います。
接合部が外れて上部が落下することに不安を抱く方は、とりわけ、大地震の揺れによる落下を心配しているのではないでしょうか。
▪ JIS規格に基づく二段ベッドの種類、および、上部落下のリスク▪
JIS規格(JIS S1104)の定義によれば、一般家庭で使用する二段ベッドとは、原則、2歳以上の人が睡眠のために使う二段に重ねられたベッドの本体、および、はしごのことを指し、これにはマットレスや布団などの付属品は含まれません。種類としては、上段と下段が一体型で分離できない形式の固定式二段ベッド、および、上段と下段が分離できる形式で上下を重ねて使う分離式二段ベッドがあります。
ということは、上部落下のリスクのあるのは、分離式二段ベッドが該当します。仮に、上部が落下した際、上部に寝ている場合も、下部に寝ている場合も、もしくは、上下の両方に寝ている場合も、いずれのケースも怪我を負う可能性があります。
▪分離式二段ベッドに関するJIS規格▪
JIS規格での二段ベッドの品質として、二段ベッドは水平な床面に置いて安定し、使用の際に異音やきしみなどが発生しない堅牢なものでなければならない旨が記されています。
従って、二段ベッドは非常に頑丈に造られたものであるということです。
また、JIS規格では、分離式二段ベッドを上段と下段をダボで接合する場合、ダボの太さは、金属性では直径8 mm以上、木製では直径12 mm以上とされ、片側のダボの有効長さは20 mm以上なければならないと定められています。また、ダボ以外の方法で接合する場合、ダボ接合と同様以上の強度が要求されます。
更に、二段ベッドに関するJIS規格では、強度に関する試験が課せられています。二段ベッド本体における垂直荷重試験では、水平な床面に置いた二段ベッドの上段のほぼ中央部の接地面500 × 1,000 mm(1,000 mmはベッドの長手方向に合わせて設定する)の範囲内に、砂袋を置くことなどによって1,800 Nの荷重を30分間かけて各部の異常の有無を確認するというものです。1 kg重 = 9.8 Nから換算して、1,800 Nは、183.6 kg重になりますので、成人2人ないしは3人の合計体重に相当する重さになりますが、この試験により、脚(支柱の)の垂直荷重の強度が確かめられます。
しかし、あくまでも垂直荷重なので、揺れに対する強度はこの試験ではあまり分かりません。
次ぎに、二段ベッド本体における水平荷重試験では、水平な床面に置いた二段ベッドの脚部を固定した状態で、上段の床板上面に600 N(61.2 kg重)の砂袋を置くなどの補助荷重を垂直に加えながら、支柱(脚)の1,500 mmの高さ(1,500 mm未満の場合は最大の高さ)において短い辺の2本ずつでまとめた組に対して水平荷重450 N(45.9 kg重)を長手方向に沿って交互に5秒間引いて加えるという操作を10回繰り返して、各部の異常の有無を確認するというものです。
この水平荷重試験により、ダボ連結部位の強度や脚自体の強度が確かめられます。合計50秒間の断続的な揺れでので、実際の地震に即していると考えられます。
▪二段ベッドの上部落下による事故は報告なし▪
今回、調査した範囲では、二段ベッドの上部が落下して事故に至った事象は確認されませんでした。
また、 地震防災研究を踏まえた退避行動等に関する作業部会(第2回) 議事録(平成21年7月15日(水)16時-18時)、および、同作業部会(第5回) 議事録(平成22年2月10日(水)10時-12時)を見ると、大地震の際に二段ベッドがどういう挙動を示すかを実験的に検証した研究成果はないということでした。しかし、これに相当するのが、JIS規格での二段ベッドの水平荷重試験と考えられます。
それから、被害者の証言や現場の検証を参考にして、阪神淡路大震災のような過去に起こった大地震での二段ベッドの挙動を調べてみたところ、揺れによって明らかに上部が落下したという事例は見付かりませんでした。むしろ、二段ベッド本体は大地震の揺れに対して耐震性を示していました。
▪まとめ▪
以上より、二段ベッドに関するJIS規格に則った水平荷重試験では、合計50秒間の断続的な水平荷重を加えていますので、実際の地震と似た条件を再現できていると考えられます。そして、ダボ連結部位の規格も安全性を鑑みて定められています。
また、過去の大地震では分離式二段ベッドの上部が落下したことはあまりないようです。
ですので、天井の落下や津波など、不可抗力的なインパクトが加えられないかぎり、上部の落下は起こらないと考えられます。しかしながら、経年劣化に伴い、鉄製のダボが錆びたり、脚などの各部が痛んできたりする可能性もありますので、定期的な点検が重要となります。ついでに他の箇所も点検するなど、面倒がらずにメンテナンスを実行していただきたいです。
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