空調服で活用される生理クーラーとは?

空調服が涼しいのは生理クーラーのお陰

 腰の部分からファンで空気を取り入れて服の内部を巡らせて涼しくなる空調服は、生理クーラーという現象を巧みに利用したものなのです。生理クーラーとは、汗腺を持っているヒトが、暑さによって体が熱くなった際、汗をかきます。そして、汗が気化するときに気化熱が体表面から奪われて、体表面が涼しく感じます。この際、気化を促進するのが風になります。
 団扇や扇子で扇ぐと涼しく感じます。これは生理クーラーの原理を利用したものですが、人力で行っています。そして、これを人工的に発生させているのが、空調服のファンなのです。このため、両手が空くので、様々な作業に取り組むことができるのです。太古の昔、人類が二足歩行を始めたときに両手が空いたために、手を使った作業を通じて脳を発展させていくことができました。従って、空調服は、人類に新たな発展をもたらすことでしょう。

難しいですが、水の気化に関する物理的考察

 水は、氷という固体、水という液体、水蒸気という気体の三態変化を示します。氷が溶けて水になる融点、および、水が凍って氷となる凝固点は0 ºCです。また、水が水蒸気になる沸点、水蒸気が水となる露点は100 ºCです。水の場合に限り、凝縮点を露点と言います。
 水の分子式はH2Oですが、酸素原子と水素原子の電気陰性度の違いから、酸素原子はマイナス、水素原子はプラスというように分子内で電荷が偏った状態にあります。そのため、液体の水は、プラスとマイナスが引き合うことによる水素結合という静電相互作用が水分子間で働き、互いに引き合っているのです。また、万有引力のように、ファンデルワールス力という分子間で、水分子は引き合っています。従って、水素結合とファンデルワールス力という分子間相互作用を断ち切らなければ、水蒸気となって空中に放散されないのです。そのため、100 ºCの熱エネルギーが必要となるのです。
 実のところ、100 ºCという沸点・露点以下の温度でも、蒸発は起きています。しかし、液体と気体の境界を界面と呼びますが、沸点・露点以下の水と水蒸気の界面では、水と水蒸気の間を変態する変化は平衡状態にあると考えられます。平衡状態にあるということは、気化が限定的であるということです。そこで、この状態で水を気化させるには、ルシャトリエの原理のように、水蒸気を取り除けば、平衡が変化して気化が進みます。また、熱エネルギーの代わりとなるエネルギーを与えることで、例えば、運動エネルギーを転換して気化させれば、気化が進みます。
 つまり、風が当たれば、水は蒸発するのです。その原理は、水と水蒸気の界面付近に存在する水蒸気を吹き飛ばすことで、界面での水蒸気は希薄となり、平衡が移動して気化が促進されます。更に、空気の主体は、窒素分子、酸素分子、二酸化炭素分子などですが、これらの気体分子は運動エネルギーを持っています。従って、気体分子が水分子に衝突した際に、気体分子の運動エネルギーが気化熱へと転換して、気化が促進されます。更に、活性化された水分子が気化する際、周りの熱エネルギーも一緒に奪っていくので、周囲の温度が下がります。
このような原理によって、風が吹くと洗濯物がよく乾く理由が理解できたと思われます。また、湿度が高いと洗濯物が乾かない理由も理解できたことでしょう。

 ファン付き作業着である空調服は、このような原理をうまく利用したものなのです。
 更に、汗には、ナトリウムイオンや塩化物イオンなどの電解質が溶けているために、沸点上昇が起こり、なおさら、気化には風が必要になるのです。この際、金属イオンであるナトリウムイオンは気化しないので、ハロゲンイオンで気化しない塩化物イオンと塩(えん)を形成するのです。これがまさに塩(しお)で、汗がしょっぱいのはこのためです。

難しいですが、生体に存在する温度受容体

 感覚受容細胞や感覚神経細胞でとらえた刺激は、電気シグナルとなって末梢神経の繊維を伝導し、中枢神経である脳に伝えられます。長らく、温度がどのようにして感じられるかが分かりませんでしたが、そのシステムの一部が明らかになりつつあります。
 トウガラシを食べると辛いだけではなく、口の中に熱さを感じます。トウガラシに含まれる辛さの原因物質であるカプサイシンは、脂溶性であるために舌の上皮を通り抜けて感覚神経に達します。この感覚神経には、イオンチャネル内在するカプサイシン受容体(TRPV1)が存在し、カプサイシンが結合すると細胞外からカルシウムイオンやナトリウムイオンを取り込んで他のイオンチャネルを開口させ、その結果、電気信号を発生させて辛さと熱を脳に伝えるのです。カプサイシンがなくとも、熱刺激でTRPV1は活性化されます。約43 ºC以上と約15 ºC以下の温度というのは、事実、TRPV1で感受されていて、高温や低温は痛みとして生体はとらえていることが分かりました。
 これ以外にも、温度を感知するシステムが存在するようです。
 さても、空調服は、生理クーラーという複雑な仕組みを本当に見事に活用しているものなのです。


カートに入れる

支払い方法
領収書について

お支払い方法により異なります。

詳しくは「支払い方法について」

配送
配送料について
配送料は一回のご注文につき、一律540円となっております。
ご注文合計金額が税込8,000円以上の場合および送料無料商品を含む場合は、送料無料でお届けいたします。
ただし、沖縄、離島など一部の地域は別途送料が必要となる場合があります。
その際は、ご注文確認画面に注意書きが表示されます。
※一部直送商品はご注文後にメールで連絡させていただく場合がございます。
>> 詳しくは「配送について」


リアージュグループ 系列店

・機器


リアージュグループ

リアージュグループトップページ