長く使ってもらうには、薄型チェストの選び方はとても重要となります。そこで、一般的なチェストに関する選び方を概観してから、その知識を薄型チェストに適用するのがよいと思います。
チェスト選びのポイントは、高さ、奥行き、幅、何を入れる積もりか、収納容量、カラー、デザイン、脚の有無、素材、丈夫さ、などが挙げられます。
チェストには、ワイドタイプとトールタイプが存在します。ワイドタイプとは、幅の広いもので、トールタイプは、高さのあるものというその通りの仕様です。高さのあるものは幅の狭いものが多く、逆に、高さの低いものは幅の広いものもあれば、狭いものもあります。これは、物理的な、かつ、視覚的な安定性を保証するためです。
衣類などを収納することの多いチェストは、使い勝手を考慮すると、視線の行き届くような高さのものが好ましいです。
さて、薄型チェストは、そもそも、開発コンセプトは狭い場所でも置けて、しかも邪魔にならないということです。奥行きがないため、高さは限定的になります。通常、1 m未満の高さとなっています。
まずどこに置きたいかということです。逆に言えば、薄型チェストを欲するニーズのある場所はどこであるかということです。
洗面所や脱衣所のような狭い場所で薄型チェストはニーズがあると考えられます。そして、この中に入れるのは、タオルや衣類、そして、サニタリーグッズや洗面所用具などではないでしょうか。薄型チェストを置いて収納することですっきりすることと思います。
また、薄型チェストは邪魔にならないということで、リビングや寝室に置いて使うことも充分可能です。
そこで、置こうとしている箇所の寸法を測って、また、そこに置いた場合に歩いたり、作業したりするのに邪魔にならないかシミュレーションしてください。
実際に薄型チェストのサイズは、奥行きは30 cmで、幅は45 cmや75 cm、高さは4段のもので79 cmと5段のもので97 cmというような感じですが、製品によってサイズが違いますので、必ず確認してください。先ほど測り出した寸法に望みの薄型チェストは収まったでしょうか。収まったならば、購入しても置けなくなることはありませんので、問題はありません。他方、収まらなかったら、購入しても置けませんので、無駄な買い物になってしまいます。別のサイズの薄型チェストを選んでみてください。
しかし、薄型チェストの場合、それよりも大型の家具と違って、家の中を探せば置ける場所があるかもしれません。例えば、クローゼットの中、廊下などが考えられます。
ということは、模様替えなど、本来の想定していた場所での役割が終了した際、その場所に展開することができる可能性があるということです。薄型チェストとは長い付き合いになりそうです。
また、値段の抑えられた家具は自分で組み立てる場合が多いのですが、薄型チェストは完成したものである思われます。そして、それほど大きくないので、置きたい場所までの搬入で幅が狭くて通れないということはほぼありえません。というのも、廊下に置くことを想定した商品ですから。
アンティーク家具は、オークやマホガニーという木材にオイルステンを施していて、ダークブラウン木目調やナチュラル木目調という感じの色を呈しています。ですので、奥行きがないにも関わらず、薄型チェストもアンティーク家具に劣らない存在感を示すと思われます。
具体的な色の効果として、色の濃いほど、空間が引き締まって見えます。ダークブラウン木目調が濃く、ナチュラル木目調が薄めという具合ですが、天然の木材であるため、自然な風合いで、決して緊張感を漂わせることはありません。
また、ホワイトは生活感をなくす作用があり、光を反射する色であるホワイトで部屋の中を統一するとホワイトマジックと言うように、雑然とした箇所は同化して消されてしまい、生活感の感じられない空間が創出されるのです。
そのため、得てして、ごちゃごちゃしてしまいがちである洗面所や脱衣所は、まさに生活感丸出しの狭小スペースです。壁紙、洗面台、洗濯機はホワイトであることがほとんどだと思われますので、ここに、ホワイトの薄型チェストを置くことで、相乗的に部屋中がホワイトとなり、生活感のない場所に変化するのです。上質の空間へと生まれ変わるのです。
以上より、薄型チェストの選び方は、上位概念であるチェストの選び方に準じていると思われます。しかし、薄型というコンセプトで開発されたものであるので、洗面所、脱衣所、廊下、クローゼットといった狭小の部屋にとても適したチェストとなっています。あとは、置く場所に即して幅や高さそして、カラーを選ぶとよいでしょう。
それでは、自分のお好みの薄型チェストを選んで、実際に家に置いてお使いください。